だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

栄光なき凱旋/真保裕一

◆読んだ本◆
・書 名:栄光なき凱旋
・著 者:真保裕一
・出版社:小学館
・定 価:上1,900円 下1,900円
・発行日:2006/5/10

◆評価◆
・アメリカに住む日系人の第二次世界大戦度:
・戦時に浮かび上がる人の隠された心度:★★
・日系人の苦悩と決断度:★★
・戦争の不毛さと血生臭度:★★★

◆感想◆
アメリカに渡り、懸命に自らの生活基盤を築き上げてきた日系人たち。彼等の運命は、日本軍による真珠湾攻撃で大きく変えられようとしていた…

アメリカに移住した日本人とその二世たち。アメリカ人から差別を受けながらも、アメリカ人として生きる方法を模索している中、日本軍の攻撃が始まる。
ジャップと罵られながら、アメリカで生きる彼等の姿・存在・家族愛・愛国心を描いた大作。

非常に重たいテーマ。
日系人から見た第二次世界大戦という、今までにあまりない登場人物たちの視点が斬新。
多くの日系人がいるハワイに奇襲をかけるという、日系人にしてみれば日本から裏切られたような行為と、日系二世はアメリカ国籍をもつにもかかわらず、周囲のアメリカ人から敵視されるジレンマの中、かれらの選択する道がどうしようもなく虚しい。

本書の構成としては、著者らしい綿密な記述が登場人物の性格や戦争の情景をリアルに描き出している一方、ややしくこく感じてしまうこともある。
ずば抜けた描写で強烈な印象を受ける部分と、冗長に感じてしまう部分がありやや不満が残る。

だが、半端な気持ちでは読めない小説であることは確かだ。

栄光なき凱旋/真保裕一の表紙
  

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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