だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

イリアム/ダン・シモンズ

◆読んだ本◆
・書 名:イリアム
・著 者:ダン・シモンズ
・出版社:早川書房
・定 価:3,000円
・発行日:2006/7/31
     
◆評価◆
・怒濤のエンターテイメントSF度:★★★★★
・神話の神々→現実の存在→××存在度:★★★★
・どんどん広がる大風呂敷/なんでもありの大法螺度:★★★★★
・愛と勇気と正義の冒険度:★★★★
・第2部の「オリュンポス」はいったいいつ刊行されるんだ!度:★★★★★

◆感想◆
ホメロスによって描かれた「イーリアス」。この神々と人間達の壮大な叙事詩を観察するホッケンベリーは…

ハイペリオンシリーズで読者のハートをがっしり捕らえたシモンズの超大作。
これは読まなきゃ損!

物語は、人間と神々の織り成すトロイア戦争を俯瞰するような戦記物的展開と、木星の惑星に住むバイオメカニクス生物が、火星の異常量子撹乱を調査するという冒険談と、地球でほほんと暮らす旧人類の、地球世界探究の冒険談という3つのパートが交互に語られる展開。

なんだかさっぱり分からないだろうが、これが読みはじめたら止められない。
トロイア戦争のパートは、少々登場人物の多さにうんざりするものの、深まる謎、素早い展開、いきいきとした登場人物と、エンターテイメントSFとはこれだ! って感じ。

シェイクスピアを研究するバイオメカニクス生物(人間よりこの生物の方が人間ぽい)とか、ナノテクで武装された神々(なんだってできるぜ!)とか、無為徒食に過ごす旧人類を無気味に隷属するロボット(いったい彼等の意図は!)とか、それはもう呆れるほどファンタスティックな登場人物がいっぱい。

おまけに量子テレポテーション、地球を取り巻くリング都市、人体を再生する蘇生院と、SF的小道具も満載。
「あれっ」と思うこともなきにしもあらずだが、小さいことにはこだわらずに怒濤の物語世界にドバーっと流されながら読みふけるのが正解。

すべてのSFファンはお見逃しなく。
それにしても第2部はいつ刊行されることやら…。

イリアム/ダン・シモンズの表紙
 

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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