だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ソロモンの偽証 第I部 事件,第II部 決意,第III部 法廷/宮部みゆき

◆読んだ本◆
・書名:ソロモンの偽証 第I部 事件,第II部 決意,第III部 法廷
・著者:宮部みゆき
・定価:第I部 1,800円 第II部 1,800円 第III部 1,800円
・出版社:新潮社
・発行日:第I部 2012/8/25 第II部 2012/9/20 第III部 2012/10/10

◆おすすめ度◆
・中学校を舞台にした法廷ミステリー小説度:★★★★★
・いったい真相はなんなんだ?!度:★★★★
・登場人物の描写がずば抜けてる度:★★★★★
・枝葉まできっちり度:★★★★

◆感想◆
クリスマスの朝、中学校の校舎から墜落死した男子中学生が発見される。警察の操作では「自殺」ということになったが、匿名の告発状や不良グループとの喧嘩があったことから殺され手のではないかという噂が広がり…

宮部みゆきの五年ぶりの現代ミステリー小説。
中学校内での複雑な人間関係、次々と起きる墜落死にまつわる不可解な事件、いったい何が真相なのか、読み始めたら止められないミステリー小説。
寝るのを忘れる面白さだ。

何が面白いかって、読者を飽きさせない展開の妙や張り巡らせた思わせぶりな伏線もさることながら、すべての登場人物がそれはもう実在しているかのように生きているところがすばらしい。
優等生だったり不良だったり目立たなかったりする中学生をはじめ、先生や警察官やテレビ記者、はてはちょい役のおじさんから野良犬(登場しない?)まで、すべての人に人生がある。それを枝葉まできちんと描ききっている重厚感。
分厚い本が3冊になってしまうのもうなずける。

さらにこの事件がどのように決着するのかも予断を許さない。
ミステリーとしてのナゾはやや弱いものの、同級生が墜落死するという「事件」が起きて、それを自分たちで真相をつかもうと「決意」し、生徒たち自らが弁護士役,検事役,判事役,陪審員役を決めて学内で「法廷」を開き真相をつかもうとするドラマが読み応え十分だしスリリング。

最後までのんびり読むことのできないシリアスな展開。

「こんなに賢い中学生がいるのか?」という設定への疑問が、ずーっと頭の片隅にあったけれども、これはどうしても多感で自意識過剰で不安定な心をもつ14歳の中学生が主役でなければならない物語だったんだなあ。

昔はセブンティーンというのが多感な青春時代を代表する年齢だったように思うが、今はフォーティーンなんだなあ。
いろんなコトが低年齢化して、寿命はどんどん延びて。
15歳を志学、30歳を而立、40歳を不惑、50歳を知命、 60歳を耳順、70歳を従心と呼ぶけど、もっと年齢を切り上げないといけないかもしれない。
あるいは一度の人生で二回りするのかも。

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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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