だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

機龍警察 暗黒市場/月村了衛

◆読んだ本◆
・書名:機龍警察 暗黒市場
・著者:月村了衛
・定価:1,900円
・出版社:早川書房
・発行日:2012/9/25

◆おすすめ度◆
・ハードボイルド警察小説度:★★★★★
・手に汗握るパワードスーツ型ロボットアクション小説度:★★★★
・浄化する過去のしがらみ度:★★★★★

◆感想◆
冒険小説ファンの魂を揺さぶる機龍警察シリーズの第3巻。
前作「機龍警察 自爆条項」では、女テロリストにしてスナイパーのイライザが主人公だったが、本書は、真っ当な警官でありたいと願いながらも複雑な過去の呪縛にとらわれ苦悩する元ロシア警官のユーリ・オズノフ警部が主人公。

事件が起き、ユーリの過去が語られ、物語の山を迎えるという構成は前作と同様だが、序盤からラストまで途切れない緊張感がハードボイルド。
ユーリ・オズノフの過去のパートだけで1本の中編警察小説になりそうな密度だ。
変革するロシアで暗躍するマフィア、腐った警察組織、その中で矜持をもって事件に立ち向かおうとする警官ユーリ・オズノフ。
そして裏切り。
その構図が現在の事件へと引き継がれる展開も見事。

特に後半の展開が素晴らしい。
ここが物語のクライマックスかと思ったら、さらに、またさらに手に汗握るシーンの連続。
ユーリの過去と現在の事件が複雑にリンクし、さらに日本の警視庁内部の構図とも相似させるシニカルさ。
すべてが渾然一体となった大盛り上がりのアクションシーンを経て、過去の呪縛から解き放たれるユーリに、前作のラストシーンのような浄化作用を感じる。

ちょっと作り過ぎの感じもあるけど、それを強引に納得させる説得力もある。

3人の機龍兵搭乗員のうち、「機龍警察 自爆条項」でライザ・ラードナーを、本書「機龍警察 暗黒市場」でユーリ・オズノフを主人公にしたからには、次作では3人目の機龍兵搭乗員・姿俊之が主人公で決まり?
コーヒー好きの理由が明かされそうで、それも楽しみ。

ユーリ・オズノフに感情移入すると、顔を歪めながら自分の掌を握ってしまう。

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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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