だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

原子力宇宙船地球号/戸梶圭太

◆読んだ本◆
・書名:原子力宇宙船地球号
・著者:戸梶圭太
・定価:1,429円
・出版社:イースト・プレス
・発行日:2012/9/25

◆おすすめ度◆
・ぶっ飛びサバイバル小説度:★★★★
・暴力と狂気と放射能が渦巻く宇宙船度:★★★★
・妙にリアリティがある度:★★★

◆感想◆
日本で相次いだ原発事故により、放射能で汚染されまくった地球。人類は巨大宇宙船を建造し、地球型惑星にむけて出発するが…

前作「迷宮警視正 最後の秘境」は原発事故を題材にしたぶっ飛び小説だったが、本書はそれに輪をかけてぶっ飛んでるサバイバル小説。

放射能で住めなくなった地球から脱出するため、大型の宇宙船に乗り込んだ人々。
しかし出発早々に、原子力エンジンの1基が爆発し放射能がだだ漏れ。日本人は原子力エンジンの改修作業という危険で過酷な労働を強いられる。

出だしの日本で相次ぎ原発事故が発生するというくだりが、なんとも妙にリアリティがあってゾッとさせられる。
さらに宇宙船の原子力エンジン改修作業は、フクシマの対策作業を連想させ、なおかつそれを超過激にした過酷さ。
次第にそこで働く人たちが狂気に蝕まれていく。
おまけにスーパーコンピューターの誤動作?や、仲間割れや、なんやかんやで生き残りを賭けた戦いに。

人間の暴力性や差別意識をむき出しにした著者の小説に、「そこまでやる著者はエライ! でもフィクションだから」と感じていたが、実際に起きた原発事故とそれを素材にすることで、妙にリアリティのある緊迫感も発生し「こりゃ もう大変だ!」みたいな側面も。

帯には「戸梶圭太、新境地かつ最高傑作!!」の文字があるが、あながち嘘じゃないぞ。

本文より抜粋して要約

近い将来必ず起きると予想されていた南海大地震が発生。耐震補強と津波対策がなされていたはずだった浜岡原発でメルトスルーが起こり地下水と接触、大量の放射性物資が撒き散らされた…
日本政府は「これでおこるべき大地震はすべて起きた。今後千年、大地震は起こらない」と判断し、全国の原発を再稼働すると宣言…

これってトカジの予言?

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原子力宇宙船地球号
 本書の一部が読めます
迷宮警視正 最後の秘境/戸梶圭太/サイト内

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

コメント

色々ツッコミ所があるが、良く考えると恐ろしく考えられている

初めまして。
図書館の棚で見つけて斜めヨミした者です。
狂っている。人間そのものが。
国家そのものを載せたかの様な内装とか、原子力エンジンが四年持つか一年で壊れるか云々で大問題とか。



ひたすら逃げるだけの、暴力ばかりの人間達の姿行動は、阿Q正伝を思わせますね。

阿Q正伝より救いを感じさせない内容だと思いました。

  • 2012/11/18(日) 19:46:56 |
  • URL |
  • 偽物ニンゲン #JalddpaA
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