だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

脳には妙なクセがある/池谷裕二

◆読んだ本◆
・書名:脳には妙なクセがある
・著者:池谷裕二
・定価:1,600円
・出版社:扶桑社
・発行日:2012/8/2

◆おすすめ度◆
・脳科学最前線度:★★★★
・そんなバカなな脳の振る舞い度:★★★★
・無意識の自分はかなり大胆度:★★★★

◆感想◆
行動を起こそうとする意志が発生する数秒前に脳の中では準備が始まっているという。そんな超びっくりな脳の機能について書かれている「単純な脳、複雑な「私」」は、とっても衝撃的だった。
本書は「単純な脳、複雑な「私」」の著者による、脳科学の最前線にして脳の奇妙な(でも読めば納得の)振る舞いについて書かれたエッセイ集。

ポイントとなるのは無意識。

知ったかぶりをしがちで(後知恵バイアス)、左視野を重視し(シュードネグレクト)、もっともらしい映像的説明にころっと説得され(ニューロレアリズム)、楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいと感じる脳。

いったい自分の意志はどこにいっちゃったのだ。

著者はこう言う。
「自由意志とは本人の錯覚にすぎず、実際の行動の大部分は環境や刺激によって、あるいは普段の習慣によって決まっているということです」
「意識と無意識はしばしば乖離しています。そして、無意識の自分こそが真の姿です」

「ひぇ~」なお言葉。
無意識にしちゃってることに自分は責任を負えないんじゃない?


さらに脳は何のためにあるのかという哲学的な問題にも言及。
「身体感覚(入力)と身体運動(出力)の処理に特化した組織」だった脳だが、人のような脳の機能が高度になり自律性が高くなると、脳内だけで情報をループさせられる。
身体感覚(入力)と身体運動(出力)なんて関係なしに、脳の中だけでグルングルン情報が駆け巡っちゃうんである。
これが「考える」ということなのだ。
「ヒトの心の実態は、脳回路を身体性から解放した産物です」なのだ。
なんだかSFのテーマにもなりそう。

しかし、だからこそ「身体性を軽視しがちな脳だけに、あえて身体性を大切にしなければならない」という著者。 手足を動かし、見て感じて味わってから、的確に行動た経験が、反射/考え/無意識の行動に現れるということなんだなあ。
何事も日頃の心がけ次第だ。

くわばらくわばら。

「はじめに」に書かれている、どんな人でも少なくとも一回は競争で一番になった経験があるという小話?は、なんだか勇気づけられる。
その割に水泳は得意じゃないんだけど。

◆関連記事◆
池谷裕二のホームページ
単純な脳、複雑な「私」/池谷裕二/サイト内

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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