だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ラバー・ソウル/井上夢人

◆読んだ本◆
・書名:ラバー・ソウル
・著者:井上夢人
・定価:1,900円
・出版社:講談社
・発行日:2012/6/6

◆おすすめ度◆
・ホラーな展開のサスペンス小説度:★★★★
・すべてが180度変わるミステリー小説度:★★★★★
・ビートルスの歌詞を読むとさらに切な悲しい度:★★★★

◆感想◆
特異な外見から引きこもった生活を送っていた音楽評論家の鈴木誠。彼が偶然居合わせたロケでモデルの美縞絵里と出会ったことが、すべてのはじまりだった…

魔法使いの弟子たち」以来2年ぶりの井上夢人。
本屋で手に取った時は、なんだか恋人にあったときみたいにドキドキしちゃうのは、ちょっと著者に惚れ込みすぎ?
本屋に行くと必ず井上夢人の棚を見て新刊がないか確認しちゃうのは、ちょっとストーカーっぽい?

そんな井上夢人フェチな自分よりも、もっとストーカーな人物として登場するのが鈴木誠。
その外見が深海魚のホウライエソを連想させるような怪奇さ。ゆえに人に会うことを厭い、家に引きこもった生活をしていたが、モデルの美縞絵里と運命的な出会いをしたことで、彼の人生が変わって行く。

物語は鈴木誠や美縞絵里など、事件にかかわった人の一人称で語られ、鈴木誠の美縞絵里へのストーキングがエスカレートしていくホラーでサスペンスな展開。

ただこれで終わるわけはなく、どんなミステリーな仕掛けがしてあるのか想像しながら読み進めるも、ことごとく著者のミスリードにひっかかってしまうという。ああ騙されるって一種快感だ。

はてさてその結末は!?

なんだか切なく悲しい、まるで青春小説を読んだ時のようなテイストは、井上夢人の持ち味だなあ。
善悪、美醜が180度変わってしまう落ちも見事。(だから一人称なのね)
ビートルズの”ラバー・ソウル”の歌詞といっしょに読みすすめると、とんでもなく緻密な構成と展開に感心し、さらにせつな悲しくなる。

本書の帯には「空前の純愛小説が幕を開ける」とあるけど、空前ということはないだろう?
著者の本で一番好きなのは「ダレカガナカニイル…」。
これこそ空前絶後、輪廻転生の恋愛小説だ。

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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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