だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか/増田俊也

◆読んだ本◆
・書名:木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
・著者:増田俊也
・定価:2,600円
・出版社:新潮社
・発行日:2011/9/30

◆おすすめ度◆
・史上最強の柔道家 木村政彦の生涯度:★★★★★
・全部がクライマックス度:★★★★★
・身体の震えは本の重さだけじゃない度:★★★★★
・本当かよ?なエピソードも満載度:★★★★

◆感想◆
「史上最強の柔道家」「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」「鬼の木村」等の異名を持つ木村政彦の生涯を描いたノンフィクション。

こ、これは凄いっ。
まるで劇画を読んでいるような、格闘技モノのアクション小説のような破天荒さ。

貧しい家庭に生まれた木村政彦が、師匠の牛島辰熊(「鬼の牛島」、顔が凄すぎ)に見いだされ、激しい練習と天性の柔道センスにより15年間不敗の記録を樹立。
しかしプロレスラーに転向して力道山との「昭和の巌流島」決戦で謎のKO負けを喫してから、その存在自体が忘れ去られて不遇な生涯を送る。

著者は、木村政彦の生い立ちから亡くなるまでの詳細な記録を基に、その信じられない強さ、文字通り命懸けで臨む武道家としての姿勢、格闘技のあり方などを描き出す。
さらに柔道の練習風景(毎日2000回の打ち込みに使ったモミジの樹が枯れてしまった)、試合模様(木村に締められたエリオ・グレイシーの耳から大量の血が噴きだした)は手に汗にぎる描写というか、もう劇画を読んでいるような迫力。

そういった格闘技ものとしての面白さもさることながら、著者の木村政彦への思いがあふれているところも、本書の読みどころ。

史上最強と言われながらも奢ることなく武道にだけ邁進した愛すべきだし木村政彦が、たった一度「昭和の巌流島」決戦で負けたことで、その名誉を地に落としてしまう。

著者は敬愛する木村政彦の汚名を返上すべく、このダンベル替わりにもなろうかという分厚い本書を著したと言ってもいい。

木村政彦寄りの記述に異を唱える人も多いようだが、ノンフィクションとはいえ人間の書くもの。完全にフラットな文章なんてありえない。
それよりも木村政彦の凄さ、素晴らしさ、その無念さについて厚く厚く語る著者に、身体が震えっぱなしになってしまった。

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

増田 俊也 新潮社 2011-09-30
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自分は柔道やプロレスや総合格闘技には全然詳しくないし、木村政彦という名前すら恥ずかしながら知らなかった。 それでも本書に登場する力道山や大山倍達、グレイシー一族の名は知っている。

そこが「史上最強の柔道家」木村政彦の不遇な所なんだろうな。
メディアというのは、よくも悪くも生殺与奪の権を握っているんだなあ。

っていうか、自分が知らなすぎ?

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君は木村政彦を知っているか8-1 8-2 8-3 8-4 8-5 8-6 8-7 8-8

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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