だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

定本 百鬼夜行 陽/京極夏彦

◆読んだ本◆
・書名:定本 百鬼夜行 陽
・著者:京極夏彦
・定価:1,750円
・出版社:文芸春秋
・発行日:20112/3/20

◆おすすめ度◆
・ホラー小説(怪談話)度:★★★
・取り憑かれた人達(共感すると恐い夢をみそう)度:★★★
・脇役を主役に(本編を読みたくなる)度:★★★★

◆感想◆
百鬼夜行シリーズの最新作。
長編に登場した脇役たちを主人公に据え、題名とする妖怪になぞらえた怪談話にするという趣向は「百鬼夜行 陰」と同じ。
とかいいながらも、「百鬼夜行 陰」は1999年の発行だし、一番最近の長編「邪魅の雫」が発行されてからだいぶ時間が経つこともあって、本書に登場する人物たちが、長編の方でどんなふうに描かれていたか思い出すのはムヅカシイ。(長編の方を読みたくなるけど、本の厚さにタジタジ…)

でもそんな予備知識(記憶)がなくても、面白く読める。

苦しかったり、辛かったり、惨かったりした体験により、精神が不安定になって、まるで妖怪に取り憑かれてしまたような登場人物。
登場人物とどこかで共振するととっても恐い夢を見そうなくらい、不気味でおどろおどろしく悲しい。
「人間って、こんなにも衝動的で矛盾していて不可解な生き物なんだ」ということを感じさせるし、それはそのままそっとしておいた方が幸せに暮らせるんだろうなあ、と思わせる。

どうしても見えてしまう「榎津礼二郎」は、だから探偵になったのか?

本作に登場する登場人物と、百鬼夜行シリーズの関係
(本作の題名:登場人物名:百鬼夜行シリーズ書名)
・青行燈:平田謙三 :陰摩羅鬼の瑕
・大首 :大鷹篤志 :邪魅の雫
・屏風闚:多田マキ :絡新婦の理
・鬼童 :江藤徹也 :邪魅の雫
・青鷺火:宇田川崇 :狂骨の夢
・墓の火:寒川秀巳 :次作「鵺の碑」
・青女房:寺田兵衛 :魍魎の匣
・雨女 :赤木大輔 :邪魅の雫
・蛇帯 :桜田登和子:次作「鵺の碑」
・目競 :榎木津礼二郎

京極夏彦作品人名事典で探すと、ちょっとは記憶が戻るかも。
人名は京極夏彦作品人名事典に、書名はウィキペディアにリンクしています。

定本 百鬼夜行 陽

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定本 百鬼夜行 陰

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子供も頃、一人で寝られない夜を過ごしているとき、手足がジンジンと太くなって行き、それはもう自分の手足じゃないみたいな感覚に陥り、それでいて肌に鋭敏な感覚がるような…
自分の身体が膨らんで行くような、身体の界面があやふやになるような感覚を覚えたことが。

本書を読んで、そんな子供の頃の記憶が蘇りました。
だから何?ってこともないんですが。

◆関連記事◆
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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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