だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

天冥の標5 羊と猿と百掬の銀河/小川一水

◆読んだ本◆
・書名:天冥の標5 羊と猿と百掬の銀河
・著者:小川一水
・定価:760円
・出版社:ハヤカワ文庫
・発行日:2011/11/25

◆おすすめ度◆
・ハードSF小説度:★★★★
・《展開体》のナゾが明らかに度:★★★★★
・繋がる物語/深まる展開/壮大なドラマ度:★★★★★

◆感想◆
西暦2349年、小惑星パラスで農業を営むタックは、古くなった環境制御装置や家出癖のある一人娘に手を焼きながらも、何とか生計を維持していたが…

お待ちかねの天冥の標シリーズ第5巻。
お待ちかねのしがいのある面白さだ。

農家のタックとその娘・ザリーカの親娘を主役に、農作業の辛さや希望、親娘の葛藤や煩悶を描いたりしたかと思えば、地球からやってきた農学者アニーとの出会いを機に、物語が宇宙規模に膨らんでいく。
ダイナミックだ。

さらに断章として描かれるのは、今まではっきりとした描写がなかった《展開体》について。
ひとつの「種」の半生を見るように面白興味深いぞ。
さらにさらには、断章として描かれていた《展開体》の物語が、表の物語を侵食するように侵して行く。

おおおっ、面白いぞ!
農家のタックの物語と、人類の物語と、宇宙規模の物語が重層する構成。
お見事。あっぱれ。シリーズ後半に超期待。
大河小説の折り返し地点にふさわしい出来だ。

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河 (ハヤカワ文庫JA)

小川 一水 早川書房 2011-11-25
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by ヨメレバ

読んでいるとき「六本足のサル」とか「羊の脳症」とかのフレーズに出会うと、脳味噌の奥の方で「ビビビビッ」と反応するんだけれど、でもそれはどの物語のどんなシーンだったかという記憶は蘇らなくって、せっかく面白く感じる所を面白がれないんである。
絶対損してる。
口内炎のせいでおいしい料理を堪能できないみたいな。

シリーズの最終巻を読む前には、シリーズのはじめから読み直して面白がってやるっ。
その頃にはシリーズ前半の記憶なんか銀河の彼方だから、初めて読むみたいに面白いはずだ。

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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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