だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ヒア・カムズ・ザ・サン/有川浩

◆読んだ本◆
・書名:ヒア・カムズ・ザ・サン
・著者:有川浩
・定価:1,300円
・出版社:新潮社
・発行日:2011/11/20

◆おすすめ度◆
・家族小説度:★★★
・心のひだにしみ込む描写度:★★★★
・こんな父親がステキだ度:★★

◆感想◆
出版社で編集の仕事をしている真也は、品物に残された人間の記憶が見えるという不思議な力があった。同僚・カオルの父親がアメリカから20年ぶりに帰国することになり、カオルに同行した真也は…

「ヒア・カムズ・ザ・サン」と「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」の2本の短編からなる本書。登場人物や設定はほぼ同じなんだけど、大きく異なるのはカオルの父親の設定。

天才肌で破天荒、家族の制止をも振り切りアメリカに飛び出して行ったバージョンと、ダメダメ男で意気地なし、見栄っ張りでうだつの上がらないバージョン。
前者が「ヒア・カムズ・ザ・サン」に登場するカオルの父親で、後者が「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」に登場するカオルの父親。

そんな父親が中心になって、家族や関係者が振り回されてしまうのだけれど、そこに色々なドラマがあって、愛があって、深い絆があって、みたいな展開。

両極端な父親像だけど、「こんな性格の奴、いるよなあ」なんて思いながらも「親を諦める」なんていう含蓄ある台詞に深くうなずいたりするものの、ちょっと俯瞰して見ればやっぱりこんな面倒な父親は嫌だぞ。
天才もダメダメ男も離れて見る分にはいいけれど、自分の生活圏に入ってくると超大変!

父親が家族を思う気持ち、娘が父親に抱く感情が、心のひだにしみ込むような描写でグッとくるけど、それは著者の描写力が優れているから。
きちんと家族を養い、平凡だけど円満な暮らしをしている父親がやっぱりエラいんである。

ま、それじゃあドラマチックな小説にならないんだけれどね。

ヒア・カムズ・ザ・サン

有川 浩 新潮社 2011-11
売り上げランキング : 182
by ヨメレバ

「本書は演劇集団キャラメルボックスとのクロスオーバー企画として生まれた変わり種の小説」とのこと。
キャラメルボックスは梶尾真治、恩田陸、東野圭吾なんかの小説も舞台化したりして、「やるぅ」な劇団なんだけど、自分は一切見たことないけど知ったかぶりしてみました。

◆関連記事◆
「ヒア・カムズ・ザ・サン」ネタバレなし感想/ペンギンウォーク
『ヒア・カムズ・ザ・サン』発売情報/有川日記
演劇集団キャラメルボックス

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://danatuusinmystery.blog17.fc2.com/tb.php/418-3c618b0d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad