だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

黄金の王 白銀の王/沢村凜

◆読んだ本◆
・書 名:黄金の王 白銀の王
・著 者:沢村凜
・出版社:幻冬舍
・定 価:1,600円
・発行日:2007/10/25

◆評価◆
・異世界ファンタジー(武器は刀と槍ぐらいの世界)度:★★★★★
・「この血に恥じぬよう生きる」二人の王度:★★★★★
・平和は絶え間ない苦渋の上に度:★★★★

◆感想◆
一つの王座を巡り、二つの一族による長い戦いが続いている翠国。しかしこのままではこの国が滅んでしまうと危惧した敵対する二人の王は、国に平和をもたらそうと密約を交わす…

これは面白い。
十二国記みたいな異世界ファンタジーで、描かれるのは若い二人の王が国を平和に導こうと苦悩する姿。
しかし平和を取り戻すには、予想以上の苦難が!

肉親を殺された恨み。覇権を握ろうとする欲。他者を信じることの難しさ。
さらに一方は現王だが、もう一人は囚われの身の偽王。
自分たちの行っていることに、未来はあるのか?
相手を殺してしまった方が、近道ではないのか?
様々な苦難と危機を乗り越えながら、国の平和を築こうとする姿が描かれる。

やや青臭く青春小説風なところもあるが、人のことを思いやり強く生きようとする二人がまぶしいぜ!
薄汚れちまったオヤジのハートに、久々のクリーンパンチだ。

しかし深く共鳴するのは、平和は自らを殺すような覚悟がなければ成り立たないのかもしれないという著者のスタンス。
やっぱり誰かを悪者にしないと、世間/国民は納得しないのか?
国はもっと教育や情報公開に力を入れるべきで、安易な方法に逃げちゃいけないんじゃないのか?
とか、いろいろ考えちゃう余韻も含めて、ほろ苦さと青臭さとほろっとくる温かさのある物語だ。

黄金の王 白銀の王/沢村凜の表紙
 

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