だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ばんば憑き/宮部みゆき

◆読んだ本◆
・書名:ばんば憑き
・著者:宮部みゆき
・定価:1,700円
・出版社:角川書店
・発行日:2011/2/28

◆おすすめ度◆
・江戸怪談話度:★★★★
・優しく悲しくせつなく度:★★★★★
・100%宮部みゆきな小説度:★★★★★

◆感想◆
江戸時代の市井の人々が遭遇する、優しく悲しくせつない不思議話し。

日暮らし」や「あんじゅう」にも登場した人物を配した、「あやし」の続編にあたる短編集。
もうどの短編を読んでも100%宮部みゆきな小説だ。
物語の展開といい、登場人物の描写といい、完璧宮部みゆき。

読みはじめるとスルスルと小説の世界に引き込まれ、著者の思うがままに気持ちを揺さぶられ、それでいてあざとさや作り物めいた不自然さを感じさせない筆力。
類型的であったり、悪人にさえ清らかな/もの悲しい魂を感じさせたりというワンパターンな展開さえ、ものともしない物語世界。

もう完成されてます。
著者名を伏せても、数ページ読めば「ああ、宮部みゆきの小説だな」とわかるほど、100%宮部みゆきな小説。



犬張り子

本書を読んで一番グッときたのは、本書の最後に集録されている「野槌の墓」の一文。

「幸せだった、生まれてきてよかったといった」

これだけ読むと陳腐だけれど、ほんの数行書きくわえるだけで心に沁みる文章にし、「ああ、おれはこんなことを人に言われるような人生を送っていないなあ」なんて忸怩たる思いを抱かせながら、ちゃーんと伏線にもなっているという宮部マジック。
いったいどうゆう作法で書けば、こんなことができるんだろう?
読んでいながらさっぱり分らない。

ばんば憑き

宮部 みゆき 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-01
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◆他サイトの感想◆
今更ながら宮部みゆきは凄い!最新作『ばんば憑き』に圧倒される/エキサイトニュース

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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