だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

厭な小説/京極夏彦

◆読んだ本◆
・書名:厭な小説
・著者:京極夏彦
・定価:1,890円
・出版社:祥伝社
・発行日:2009/5/20

◆おすすめ度◆
・不条理小説度:★★★★
・ありそうな設定とデフォルメされた展開度:★★★★★
・感情移入すると厭な思い出がドンドン思い出されて度:★★★★
・偏執的な装丁度:★★★★

◆感想◆
日常で「ちょっと厭だな」と感じる出来事を、小説まで昇華、展開させた短編集。

夫婦や恋人同士でのちょっとした齟齬、ちょっと気に入らない上司や同僚。日常どこにでもありそうな「厭な」ことを、どんどん突き詰めて発展させ、不条理きわまりない厭な状態まで昇華させた、ヘンテコな小説だ。

泣かせる小説とか笑わせる小説というのはいっぱいあるけど、厭な気持ちにさせる小説とは。
さすが京極夏彦、奇抜なデーマで小説を書く。
展開も読者の興味を惹くように書かれているし、落ちも不条理感がいっぱいで厭感倍増だ。

夫婦や会社の同僚との間の出来事を題材にしているだけあって、身近で感情移入しやすいというか、「あるあるある」っていう感じ。
「この登場人物と似ている奴がいる。変なやつなんだ」とか思って読んでるうち、頭に来たことや厭な出来事がドンドン思い出されてきて、小説よりもそっちのほうで厭な気分になったりして。
著者の思う壷だ。

最後はメタ小説っぽい無限厭厭地獄に。

今度は無限快感天国な小説も書いて欲しいぞ。


厭な小説
厭な小説京極 夏彦

おすすめ平均
stars厭だけどエンターテイメントとしては最高!

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本書「厭な小説」は「幽談」と同じような構想で書かれた小説に思える。
「幽談」は恐怖がテーマで「厭な小説」は厭がテーマ。
憑物落しの蘊蓄を卒業し、人間の感情と不条理をテーマにした小説に移行。
論理ではらりしれない感情というものに焦点が移るのは自明の理か。


◆他サイトの感想◆
e-hon W著者との60分 京極夏彦インタビュー
AKASHIC NOTE
ただぼんやり生きている

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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