だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

時間封鎖/ロバート・チャールズ・ウィルスン

◆読んだ本◆
・書名:時間封鎖
・著者:ロバート・チャールズ・ウィルスン
・定価:上940円 下940円
・出版社:創元SF文庫
・発行日:2008/10/31

◆おすすめ度◆
・大仕掛けSF小説度:★★★★★
・人類の終末的SF度:★★★★★
・微小テクノロジーと全宇宙的規模のスケール度:★★★★
・ジェイスンは真理を掴む?/ダイアンとタイラーの関係は?度:★★★★★

◆感想◆
ある夜、空から忽然と星が消えてしまう。それは地球が得体の知れないモノによって覆い尽くされたためだった・・・

SFが読みたい! 2009年版 」の堂々1位。「WEB本の雑誌 今月の新刊採点」で採点員5人全員が満点をつけたという、大注目のSFだ。

物語は、スピンと呼ばれる膜のようなもので覆われてしまい、外宇宙と断絶させられた地球。そしてスピンで覆われた地球だけが、異なった時間流の中におかれてしまう。
題名通り地球が「時間封鎖」されてしまうのだ。

いったい誰が、どんな目的で、どうやって時間封鎖したのか。

夜空を眺めていたとき、忽然と星が消えてしまうという実体験をした3人(双子の姉弟と友人男子)。
彼らが主役となって、物語が展開する。

これは読みごたえ十分のエンターテイメントSFだ。
小難しくマニアックなハードSFにせず、平易で分かりやすい表現なのがいいし、登場人物が双子の姉弟ダイアンとジェイスン、そしてその友人タイラーという3人がメインで、非常に分かりやすい。(外人の名前を覚えられない自分向きだ)

それでいながら、大胆なSFとしての仕掛けや、親子や友人間での人間ドラマもちゃーんと描かれているし、震えるような緊張感のあるシーンや、それこそセンス・オブ・ワンダーしまくりのSFならではのシーンも。

夜空から星が消えてからの数十年という長丁場を、巧みな展開でグイグイ読ませる。
SFとしての落ちも、人間ドラマの落ちもウマイ!

ダイナミックで先の読めないワクワクする展開と、登場人物や人間ドラマがきっちり描かれてこそ、面白い小説たりえる。
SFでもミステリーでも、仕掛けやトリックだけの小説はいまいち物足りない。
そこに人物が絡み合ってこそ面白い物語になるんだと、再認識した次第。

とにかく、「星のない夜空が夢に出てきて、びっくりして目覚めて夜空を見れば、ちゃんと星が瞬いてる!よかった!!」という幸せ感を味わいたい方は、今すぐ本屋へ!


Spin  Axis


本書に登場するスピンをはじめとしたいくつかのSF的な設定は、最後まで謎のままなんである。
もちょっとハードに真相に迫ってくれてもいいよな、と思いつつ読後に解説を読むと、なんと本書は3部作の第1部なんだと。
期待に胸が膨らむが、ハイペリオンシリーズみたいに待たされるんだろうな。


時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)
時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)Robert Charles Wilson 茂木 健

おすすめ平均
stars万人向けの傑作です
starsベテランにもハードSFの初心者にもうってつけ
stars訳の分からない怖さ
starsヒューゴー賞は伊達じゃない
stars話もうまいしSFマインドもたっぷり

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時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)
時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)Robert Charles Wilson 茂木 健

おすすめ平均
starsある段階にいたった文明には
stars始まりの終わり

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◆他サイトの感想◆
WEB本の雑誌
水の中。
みかん星人の幻覚

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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