だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

そして、警官は奔る/日明恩

◆読んだ本◆
・書名:そして、警官は奔る
・著者:日明恩
・出版社:講談社
・定価:1,900円
・発行日:2004/2/29

◆評価◆
・警察ものミステリー小説度:★★★
・警察官とはなんだろう度:★★
・癖のある登場人物と硬派な内容度:★★

◆ひとこと◆
独身の歯科医である三鷹健太郎の家から、いるはずのない少女の声が聞こえる。
隣人の主婦の訴えにより、蒲田署の和田と武本は三鷹の家を張ることに…

帰宅した三鷹を捕まえ、なかば強制的に家の中に入った和田と武本が見たのは、様々な衣装やカラフルなカツラ、そしてSMグッズ…
出だしのツカミはOK!
いったいどんな物語になるのか期待したが、出だしとは違って硬派な内容。
いわば「国籍のない子供達」に対して、周囲はどう対峙するのか。
そこには善意だけでなく悪意も介在する。
警察官は、その善意/悪意に、どう向かうのか。

ことあるごとに語られる警察官としてのありかただとか、犯罪者に対しての考え方に、少々辟易する。これが主題の一つでもあるんだが、登場人物が長々と喋ったりしないで、行動や行間で語って欲しい。

癖のある登場人物も、なんか変。
「冷血」とあだ名された和田の取り調べ方法や、和田を冷血にさせた過去の事件。(そりゃ冷血になるわい)
無口で表情のない武本の、恐ろしく一本気な性格。(こんな奴いるのかな)
その武本を「先輩」と呼びながらまとわり付く潮崎。
この潮崎。警官を一度止めて国家公務員試験を受けキャリアになることを目指す、前警視総監の息子にして格式ある茶道の本家家元の次男。
この男の行動がよく分からん。

武本を追いかけ朝食まで差し入れる様子は、アイドルの追っ掛けみたいで無気味。そのおしゃべりで屈託のなさにより、人とのコミュニケーションはうまいが、なんでそんなに首を突っ込みたがるのか、動機がよくわからない。
それになんでそんなにヒマなんだ。
国家公務員試験に受かり、入庁するまでのフリーな状態なんだろうが、他にやること無いのかと思っちゃう。

出だしの変態的ツカミ、ラストの危機迫る展開、どちらもうまく書かれているので、全体に長すぎるのが残念。
硬派な(説教くさく理屈っぽい)部分と、潮崎に関するすべてをなくせば、傑作になった。

この著者は、自分の天敵「高村薫」系の作家だな。


そして、警官は奔る
そして、警官は奔る日明 恩

おすすめ平均
stars人間味溢れる警察小説
stars武本のファンになりました!
stars本当に期待していただけに...
stars最後まで読めなかった最低のキャラ設定
stars帰ってきたヒーロー。

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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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