だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

万物理論/グレッグ・イーガン

◆読んだ本◆
・書 名:万物理論
・著 者:グレッグ・イーガン
・出版社:創元SF文庫
・定 価:1,200円
・発行日:2004/10/29

◆評価◆
・バリバリのコアなSF度:
・偏見に満ちたジェンダーからの逃避度:★★
・まぬけな非科学的似非宗教度:

◆感想◆
すべての自然法則を統一する「万物理論」。その完成をめざす物理学者3人が、それぞれの学説をたずさえ、学会に臨む。映像ジャーナリストのアンドルーは、学会の開かれるステートレスへ向かうが…

現実に研究が行われているという「万物原理」(超ひも理論を超える理論?)。
本書では、この原理自身が大きなテーマとなり、さらにジェンダーや非科学的疑似宗教などのサブテーマがちりばめられている。
本の帯には「究極のハードSF」とあるが、読んだ印象はもっとどろどろした人間臭いもの。身体性や宗教といった面からのアプローチが目につく。

しかし、どうも読んでいて馴染めないところが多かった。
「万物原理の完成」という社会現象から派生する似非科学的宗教や、主人公が巻き込まれる特異な集団とのサスペンスタッチの展開が、いまいちしっくりこない。
物語としては、この訳の分からん集団は必須なのだが、展開はSFじゃないよね?
サスペンスタッチの展開の割には、あんまりハラハラドキドキしなかったし。

また妙に「人間くさい」ところも曲者。
本書のSF的な仕掛けに人間臭さは不可欠だけど、表層的な感情(愛や憎しみなど)の描写は、「気合い!」が入っていない。
文章も妙に長いところがあり、主語と目的語を探しているうち、何を記述しているのか分からなくなる。 (自分の読解力が無いだけか)

「しあわせの理由」を読んだ時も、あんまり共感できなかったが、どうも自分とは反りが合わない作家みたいな。
グレッグ・イーガンというSF作家は、世界的に高く認められている作家。
その著書に感銘できないのは、自分のSF的素養が貧弱だからか?

万物理論/グレッグ・イーガンの表紙
 

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