だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

愚か者死すべし/原りょう

◆読んだ本◆
・書 名:愚か者死すべし
・著 者:原りょう
・出版社:早川書房
・定 価:1,600円
・発行日:2004/11/30

◆評価◆
・ハードボイルド度:★★
・スルドくクールな探偵度:★★★
・先の読めない展開度:★★

◆感想◆
新宿署から容疑者を護送しようとした時、何者かの狙撃を受ける。銃弾の一発は容疑者に当り、もう一発は容疑者を庇おうとした刑事に当る。探偵の沢崎は狙撃犯の車を追跡するが…

はじめのセンテンスが、
「…ドアを開けたとき、どこかに挟んであった二つ折りの薄茶色のメモ用紙が、翅を動かすのも面倒くさくなった厭世主義者の蛾のように落ちてきた」!! 出だしからハードボイルド全開。
過去に傑作(むかし読んだ著者の本が、面白かったのかどうか思いだせないけど)を送りだしてきた著者の、意気込みが現れているよう。

物語は、探偵の沢崎が狙撃犯を追ううちに、政界の暗部を担う老人の誘拐事件や、警察やヤクザとの駆け引きに関わったりと、テンポよく進むが先が読めない展開。
この展開に読者を引き付ける要素が少ないためか、はたまたハードボイルドなのに胸に響くようなセリフやシーンがないせいか、少々退屈に。
探偵沢崎のクールな思考とスルドい観察力はハードボイルドっぽいが、いささか出来過ぎの感じも。

最後にすべての関係性が明らかになるけど、推理小説のような布石もなく、解決に伴うカタルシスも少なめ。
それより、中盤に登場する設楽老人の話が、なかなか面白い。
実話に則しているのかどうか分からないけど、政界の裏情報を握る老人というのが、本当に居そうで。この老人の話だけでも、読んでみたい。

全体的には、ハードボイルドというより、60度くらいのお湯で長時間茹でた卵みたいな。

愚か者死すべし/原りょうの表紙
 

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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