だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

さよならバースディ/荻原浩

◆読んだ本◆
・書 名:さよならバースディ
・著 者:荻原浩
・出版社:集英社
・定 価:1,600円
・発行日:2005/7/30

◆評価◆
・悲しくせつないミステリー度:★★
・天才ピグミーチンパンジーに託す想い度:★★★
・研究センターで起きるミステリアスな事件度:

◆感想◆
霊長類研究センターの類人猿言語習得実験。バースディと名付けられたサルは、専用キーボードとディスプレイを使って人間と会話するという実験を行おうとしていた…

著者の小説の持ち味は、そこはかとないユーモアと心にしみ入るペーソスかなと。
本書も全体的に悲し気なトーンが。
(ホリー・コール「コーリング・ユー」を車内で聞くシーンがあるけど、全体的にそんな感じかな。「コーリング・ユー」は好きだけど)
読んでいてウキウキするような気分になる小説ではない。ユーモアの味付けもおさえ目だし。
いささか展開も遅く、短気な読者はイライラしそう。
決着も無理っぽいし。
題材は素晴しいけど、料理のしかたがいまいちか。外見に注意が行き過ぎて、内容が伴っていない人みたいな。(それって自分のことか)

しかし、主人公のバースディ(ピグミーチンパンジー/ボノボ 人間でいうと小学生くらいの年令)が素晴しい。
学習する過程でみせる賢さや研究者と戯れる姿が、人間の子供を見ているようで微笑ましいし、自分を人間だと思っている様が、面白くもあり悲しくもある。
著者は全精力をバースディの描写に傾けたよう。
動物好きにはうってつけの小説。

さよならバースディ/荻原浩の表紙
 

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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