だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

あの日にドライブ/荻原浩

◆読んだ本◆
・書 名:あの日にドライブ
・著 者:荻原浩
・出版社:光文社
・定 価:1,500円
・発行日:2005/10/25

◆評価◆
・哀愁漂うタクシー運転手度:★★
・過去の栄光に拘泥するタクシー運転手度:★★
・妄想するタクシー運転手度:★★★

◆感想◆
出世コースに乗っていながら、上司に言ったひとことで銀行を辞めざるを得なくなった牧村。タクシーの運転手となり糊口をしのいでいるが、銀行員時代や学生時代の様々なことが脳裏をよぎり…

人間誰しも「今のままで俺の人生はいいんだろうか?」「本当はもっと素晴しい生活が待っていたはずなのに」なんて思うもの。
本書の主人公は、支店長候補といわれながらも、ぽろっと口に出たひとことで上司から仕事を干され、左遷させられ、銀行を辞めてしまう。
なんとか活路を見い出そうとするものの、なんとなくなったタクシーの運転手としてもいまいちで、ぼやきと妄想に明け暮れる。

ところどころにジョークの味付けはあるものの、前半は主人公のイジイジしたぼやきとバラ色妄想に少々辟易する。
ま、それが後半の展開の布石にもなっているけど、「起承承承承転結」みたいな構成だったりもして、梅雨時の洗濯物感あり。
タクシードライバーの哀愁と人生を感じさせる展開ではあるが。

そんなイジイジした主人公も、タクシードライバーのプロとしてテクニックを身に付けていくあたりから、だんだん微笑ましい中年男に見えてくる。

仲間のドライバーや元の上司にも、それなりの事情や人生があるってことで、そんな他人の人生が見えるようになった余裕が、自分の人生を豊かにしていくきっかけに。

人生色々。となりの芝生は青く見えるもの。
やっかんでばかりいては、いけません。

あの日にドライブ/荻原浩の表紙
 

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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