だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

讃歌/篠田節子

◆読んだ本◆
・書 名:讃歌
・著 者:篠田節子
・出版社:朝日新聞社
・定 価:1,700円
・発行日:2006/1/30

◆評価◆
・天才的女性ヴィオリストの姿度:★★★
・作り上げられる虚像と実像度:★★★★
・本当の感動とは度:★★★

◆感想◆
社会問題や報道番組の制作を手掛ける東経映像。ディレクターの小野は、知人の勧めで聴いた無名のヴィオリスト柳原園子の演奏に感動する。彼女の栄光と挫折をテーマに、TV番組を制作しようとするが…

若くして天才的バイオリニストと称された少女園子。
その後の音楽留学で挫折した経緯。
現在50才近い年令なのに、世俗の垢やよどみを感じさせない佇まい。
そして何より、聴く人の心を揺さぶる演奏。

前半は、園子の演奏を聴いて感動した小野が、テレビのドキュメンタリーとして番組を制作する過程が描写される。
いわゆる感動的で癒しをテーマにした小説かと思いきや、後半になって思わぬ展開に!

著者らしいちょとひねった視線がいい。
「癒し」という言葉が世の中に満ちあふれているけど、それってほんと? みたいな視点が、本書のテーマ。
欲をいえば、前半もっと感動的に作り上げてくれれば、後半との落差が大きくなって面白かったかも。

しかし、本当の感動ってなんなのか。
本書に登場する園子の演奏に心から感動し涙する人もいれば、その演奏に疑問を投げかける音楽の専門科もいたりして。

ピカソの絵はさっぱり理解できないけど、息子が書いた「パパの顔」に感動するような、広い海を見て感動するけど、道路の水たまりは避けて通るだけのような。
結局自分の志向がどこに向いているかという問題では。
最大多数なのか個なのか。

付和雷同的日本社会に一石を投じる書! になるか?

讃歌/篠田節子の表紙
 

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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