だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

土漠の花/月村了衛

◆読んだ本◆
・書名:土漠の花
・著者:月村了衛
・定価:1,600円
・出版社:幻冬舎
・発行日:2014/9/20

◆おすすめ度◆
・単純明快なストーリーに手に汗握る展開度:★★★★
・登場人物の想いに冒険小説の魂を見る描写度:★★★★
・今、月村了衛が熱いぜ度:★★★★★

◆感想◆
ソマリアの国境付近に墜落したヘリの捜索活動にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。そこに突然助けを求めてやってきた女性は、氏族間抗争で命を狙われている女性だった…

月村了衛、面白い!

武器はおろか食料や通信手段もないなかで、いかに敵から逃げるかという、単純明快なストリーがいいぞ。
迫る敵、土漠の暑さ、仲間内での確執。いろんな問題を抱えながら、様々な工夫とスキルを駆使して戦う様子がスリルとサスペンス。

登場人物達の人物像も熱い。
まるで昔の冒険小説を読んでいるような「魂」を感じる。

機龍警察シリーズをはじめ、時代小説をも手がける月村了衛。
もう書きたいことが山のようにあって、筆が追いつかないようだし、またどれも熱い「魂」を感じる筆致。

今、月村了衛が熱いぜ。

撤退の途中に遭遇する「ハムシン」
こんなかんじなのだろうか。こりゃタマラン!

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『土漠の花』(月村了衛)/馬場秀和ブログ

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猫が足りない/沢村凜

◆読んだ本◆
・書名:猫が足りない
・著者:沢村凜
・定価:1,500円
・出版社:双葉社
・発行日:2014/9/21

◆おすすめ度◆
・猫にまつわる連作ミステリー小説度:★★★
・猫が足りない「ミセス不機嫌」が破天荒キャラ度:★★★
・主人公の知章は悪女に振り回されるタイプ度:★★★

◆感想◆
就職浪人の知章は、「ミセス不機嫌」こと四元さんとスポーツクラブで知り合う。「猫が足りない」と嘆く彼女の周りで、なぜか猫がらみの事件が起きるのだが…

骨太のファンタジックなストーリーが特徴の沢村凜だが、本書はちょっと趣きがかわった、猫がらみの連作ミステリー小説。
読みどころは「ミセス不機嫌」こと四元さんの破天荒なキャラクター。

猫に関する思い入れや行動や人生観が独特な四元さん。
彼女になぜかつきあい振り回される主人公の知章が、かわいそうになるくらい。(彼は悪女に振り回されるつきまとわれるタイプかも)

読み進むうち、次第に事件の規模が大きくなっていくけれど、ラストはなんだかほんわりした雰囲気に。
「ミセス不機嫌」こと四元さんは、猫の性格がオーバーラップしていて、猫好きの男性には魅力的?
この物語の後、主人公の知章は猫を飼いはじめると予想させる「猫が足りない」短編集。

「沢村凛」と「沢村凜」どっちが正解?
それとも別人? (ってことはないよな)

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荒神/宮部みゆき

◆読んだ本◆
・書名:荒神
・著者:宮部みゆき
・定価:1,800円
・出版社:朝日新聞出版
・発行日:2014/8/30

◆おすすめ度◆
・元禄時代に暴れ出す化け物との戦い度:★★★★
・今までにない破天荒度:★★★★
・宮部版「エイリアン」小説度:★★★★

◆感想◆
村から必死に逃げる蓑吉は、不気味な地響きとものの壊れる重たい音を思い出していた。あれはいったい、何だったのか。夜の闇のなか、突然襲ってきたあれはいったい何物なのか…

得体の知れない未知の化け物との戦いといえば、たいていはそら恐ろしい地球外生命体が登場するバトルSFが定番だが、それを元禄時代の山村を舞台にするという設定が意表をついている。

化け物の産まれてきた因縁を物語の背景にし、それと戦ういわくありげな藩主側近、純朴な村人、正体がいまいちわからない用心棒や絵師などの登場人物の姿がファンタスティック。
しだいに明らかになる化け物の正体がぶっ飛んでいて、エイリアンを凌ぐ暴れん坊ぶりも壮観。

シガニー・ウィーバーみたいな豪腕の女性は登場しないけれど、時代背景を取り込んだ純和風な結末が用意されていて、なんだか今までの著者にない冒険活劇小説のよう。

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