だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

虚ろな十字架/東野圭吾

◆読んだ本◆
・書名:虚ろな十字架
・著者:東野圭吾
・定価:1,500円
・出版社:光文社
・発行日:2014/5/25

◆おすすめ度◆
・ミステリー小説度:★★★★
・飽きさせない展開と描写度:★★★★
・死刑制度の是非/償うとはどうゆうことなのか度:★★★★

◆感想◆
11年前に最愛の娘を事件で亡くした主人公の中原は、そのことが原因で妻とも別れ、ペットの葬儀会社に勤めていた。そんなある日、覚えのある捜査1課の刑事から、別れた妻が亡くなったという連絡がくるが…

子供を殺害されるという痛ましい事件。子供の親達の犯人に対しての感情や裁判における死刑の是非などを題材に、過去から現在へ、そして人から人へとつながる不幸と悔悛の連鎖が描かれる。

人殺しには死刑を求める親達の感情を全面に出しながらも含みを持たせる展開や、一見関わりのない事件や人物が次第につながっていく様子は、さすが東野圭吾、読者を飽きさせません。

死刑制度の是非は難しい問題。
犯人に死刑を求める気持ちは理解できるけど、それが生きる目標になってしまうもの悲しすぎるし、かといって怒りの感情をぶつける先を持たないでいるのも不安定だし。
無限に繰り返される仇討ちや報復し合う戦争のように空しく空虚。
起きないようにするのが一番だけど、起きてしまったものはどこかで食い止めなければならない。
それには現在の制度では虚ろなのだろう。
ただ虚ろだからこそのラストでもあるなあ。

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