だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ /三上延

◆読んだ本◆
・書名:ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~
・著者:三上延
・定価:570円
・出版社:メディアワークス文庫
・発行日:2014/1/24

◆おすすめ度◆
・古書にまつわるミステリー小説度:★★★
・栞子と大輔の関係はいかに!度:★★★★
・全然気づかなかったトリック度:★★★★

◆感想◆
やたらと本に詳しいわりに、接客にはまるで不向きな美人の古書店店長・栞子。そんな彼女に告白した無骨な青年店員・大輔。二人の関係はいかに! そして栞子の母・智恵子はどのように物語に関わってくるのか…

という「ブリア古書堂の事件手帖」シリーズの第5巻。
「彷書月刊」「ブラック・ジャック」「われに五月を」などの古書にまつわる謎を解き明かしていきながら、栞子と大輔の恋の行方が描かれる。
相変わらず古書の蘊蓄はマニアックだし、栞子の推理も光ってる。

「知識」の奈落にはまっている智恵子という「モンスター」が、なんだかとってもおどろおどろしい印象で「あんまりリアリティないなぁ」なんて思っているときに、テレビで荒俣宏を発見。
やっぱリアリティあるんだな、と思いを替えた次第です。

エピローグの栞子と大輔のシーンは、前作の「ライトノベルなノリ」同様、なんだかとってもいい感じで胸キュンです。

プロローグを読み違えた読者が、アマゾンのレビューを読んで目から鱗のトリックに「やられた!」と関心しているようだけど、プロローグを読み違えるどころかなーんにも気づかなかった自分はいったい…
「4巻のカバー」にも同じようなトリックがあるらしいが、カバーをろくに見もしない自分はいったい…

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ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~/三上延/サイト内
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~/三上延/サイト内

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星を創る者たち/谷甲州

◆読んだ本◆
・書名:星を創る者たち
・著者:谷甲州
・定価:1,700円
・出版社:河出書房新社
・発行日:2013/9/30

◆おすすめ度◆
・宇宙土木SF小説度:★★★★
・エンジニア魂度:★★★★
・驚愕のラスト度:★★★

◆感想◆
太陽系の惑星で大規模な地下鉄やドームなどを製作する、現場のエンジニアたちを主人公にした宇宙土木SF連作短編小説。

月の地下交通トンネル工事、火星の与圧ドーム建設、水星の射出軌条建設予定地で起きる事故など、月、火星、水星、木星、土星、そして太陽をも舞台にして起きる工事現場での事故や不測の事態。これに対応するエンジニア達の懸命な姿。

いいですね、こういう現場のエンジニア達の活躍。

巻頭作の「コペルニクス隧道」を読んだときには「土木現場や圧送システムをよく調べているなあ」と関心至極。
後半にはいってだんだん政治的な駆け引きなんかも描写されるようになったり、いまいち登場人物に感情移入できない流れがあったりして「それはどうかな」と思いつつも、ラストの表題作「星を創る者たち」の大風呂敷にも驚愕。

土木関係の仕事に就いているSFファンは必読です。

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星を創る者たち/せでぃのブログ

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茅田砂胡 全仕事1993-2013/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書名:茅田砂胡 全仕事1993-2013
・著者:茅田砂胡
・定価:1,500円
・出版社:中央公論新社 C・NOVELSファンタジア
・発行日:2013/11/25

◆おすすめ度◆
・デルフィニア戦記後日談度:★★★★
・オールスターキャスト度:★★★★
・かつての輝きが復活度:★★★★

◆感想◆
「全仕事」と銘打つだけあって、構成されるのは「桐原家の人々番外篇」「祝もものき事務所番外篇」や描きおろしコミックや著者へのロングインタビューなどなどだが、本書のほぼ半分はデルフィニア戦記の後日談である「紅蓮の夢」で占められている。

著者の本とは、思い出だけが楽しい「別れたむかしの彼女」みたいな関係だったのだけれど、「紅蓮の夢」の評判が良さそうなので読んでみると…

これがなんだか面白い!
デルフィニア戦記の登場人物が、超法規的処置で勢揃い。
かつてのわくわくドキドキを味わえる面白さ。
ストーリーは本編同様、窮地にあるウォル王を助けるため、リィが敵をバッサバッサとなぎ倒す不変の展開。
そこにデルフィニア戦記のオールスターキャストが絡んで大盛り上がり、みたいな。

「別れたむかしの彼女」と完全に決別するにはちょうどいい本でした。

感想は「紅蓮の夢」だけで、他の番外編やコミックは含んでません。
あしからずごめんなさい。

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茅田砂胡全仕事1993-2013 / 茅田砂胡Add Star/屋根裏物置
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[茅田砂胡 全仕事1993-2013]PV ver.2

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雪月花黙示録/恩田陸

◆読んだ本◆
・書名:雪月花黙示録
・著者:恩田陸
・定価:1,600円
・出版社:角川書店
・発行日:2013/12/31

◆おすすめ度◆
・シュールな展開度:★★
・サイケな世界度:★★
・キッチュな文化度:★★

◆感想◆
近未来の日本を舞台にした学園&アクション小説。

なんだかちょっと昔の日本を舞台にした一風変わったライトノベルのようでもあるが、美青年&美少女剣士やド派手な未確認飛行物体やとってつけたような生徒会長選挙やスライム状のバケモノや妙に親切なラーメン屋の双子親父などなどが山盛りで、とってもシュールでサイケでキッチュ。

チャンバラシーンを交えながら、ミヤコという文化都市の謎に迫る美少年美少女剣士たち!な展開に、おじさんな自分はタジタジ。

恩田陸、チャレンジャーです。

キラキラとした本の装幀が、内容とベストマッチです。

◆関連記事◆
雪月花黙示録/アマゾン(著者本人がコメントしてる動画です)

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ペテロの葬列/宮部みゆき

◆読んだ本◆
・書名:ペテロの葬列
・著者:宮部みゆき
・定価:1,800円
・出版社:集英社
・発行日:2013/12/25

◆おすすめ度◆
・社会派ミステリー小説度:★★★★
・善と悪の境界度:★★★
・主人公の境遇に同情度:★★★★

◆感想◆
『誰か―Somebody』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ、待望の第3弾、ということで、過去の2作を思い出せないまま読み始めるが、そんなことは問題なく物語に引き込まれる。

いきなりのバスジャック事件。犯人の人物像がちょっと変わった性格で、「この人物は一体何者!?」という興味が物語の吸引力に。

次第にそれがこの小説の本流だということに気づいていくが、さりげなく描かれる傍流のストーリーこそが著者の本当に書きたかったことではないかと。
ひょっとして著者のハートにグサッとくるリアルな出来事があったのでは?と勘ぐりたくなるようなラストだし。

それにしても見るに耐えない主人公の境遇。
人や家族のことを考えて、不自由な境遇の中色々と頑張っているのにこの仕打ち。
探偵になっちゃったほうがいいかもしれません。

人を思い通りにさせるような会話テク、マスターしたいもんです。

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