だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ブラック・アゲート/上田早夕里

◆読んだ本◆
・書名:ブラック・アゲート
・著者:上田早夕里
・定価:1,700円
・出版社:光文社
・発行日:2012/2/20

◆おすすめ度◆
・ハラハラバイオサスペンス小説度:★★★★
・ドキドキスリリング冒険小説度:★★★
・近未来パニックSF小説度:★★★

◆感想◆
人間に寄生し増殖するアゲート蜂により恐慌状態の日本を描いた、近未来バイオサスペンス小説。

上田早夕里というと「華竜の宮」や「魚舟・獣舟」がすこぶる評判がいいものの、いまいち趣味が合わないというかそりが合わないというか。
書店で本書を見かけた時もスルーしようかと思ったのだが、帯の「怖いうえに面白い! マイクル・クライトンに匹敵する迫真の理系冒険活劇」のコピーが。

上田早夕里がマイクル・クライトンに匹敵?、似合わないなあと思いつつもコピーにほだされて購入。
マイクル・クライトンばりな題材や展開は自分の好むところだけれども、読んでみると、やっぱりちょっと残念な感じに。
人物や内容が薄いし、展開も都合良すぎ。
エピローグの後を読んでみたいし。

なんて不満ブツブツな感想だけれど、出だしのロケットスタートな勢いで最後まで一気に読まされてしまいました。
不満は欲張りな読者の愚痴っていうことで、逆に言えば「面白かった」ということです。
登場人物を完全な「悪」にしないのは、著者の優しいところですね。

アゲート蜂に似ている実在する蜂は「ヤマジガバチ」だそう。
写真を見るとウエストが超細くていかにも戦闘向きだ。
こんなのがうじゃうじゃ出てきたらホラーだ。

ブラック・アゲート

上田 早夕里 光文社 2012-02-18
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中途半端な密室/東川篤哉

◆読んだ本◆
・書名:中途半端な密室
・著者:東川篤哉
・定価:476円
・出版社:光文社文庫
・発行日:2012/2/20

◆おすすめ度◆
・木製丸椅子探偵小説度:★★★★
・ゆるいユーモアと納得の本格度:★★★
・ワンコイン(500円)なら度:★★★

◆感想◆
飛ぶ鳥が焼き鳥になって落ちてくる勢いの東川篤哉。
初期の短編作品を集めて、いきなり文庫でワンコインです。

ワンコインで買えるとはいえ、ユーモアと本格度はなかなかのもの。
きっちり解決しています。

なかでも印象深かったのは「竹と死体と」
地上十七メートルの首吊り死体の謎」といったお題で推理が展開するのだが、ここに引用される「竹づくし文化考」によると、

タケノコとなって地上に頭を上げてからぐんぐん成長して、わずか三ヶ月前後で一生のからだをつくりあげてしまう。
伸び盛りには1日に1メートル以上伸びる。私の測った竹のうち、一二一センチが最高である。

ひぇ~、聞きしに勝る成長ぶり。
1日121cmということは、1時間に5cm!
ぐんぐん伸びるのが目視できそう。

と、本題とは関係ないところで驚愕するミステリー短編小説だけど、本題のミステリーな仕掛けでも驚愕できるのでご心配なく。

中途半端な密室 (光文社文庫)

東川 篤哉 光文社 2012-02-14
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竹づくし文化考」は実際に販売されているリアルな書籍。
「笑の字のエピソードから竹のことわざまで、日本人の暮らしと竹のすべてをさまざまな角度から考える」という文化的な書籍。
「もっと竹について知りたい!」という方は是非。
ちなみに私は「1日に1メートル以上伸びる」ということだけで、竹関係の知識は十分満足です。

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幸せになる百通りの方法/荻原浩

◆読んだ本◆
・書名:幸せになる百通りの方法
・著者:荻原浩
・定価:1,500円
・出版社:文芸春秋
・発行日:2012/2/10

◆おすすめ度◆
・ほんわかほっこり短編小説度:★★★
・ユーモアとペーソス度:★★★
・人に話したくなる豆知識度:★★

◆感想◆
著者らしいほんわかほっこりした短編小説集。

テーマは原子力発電所の事故だったりオレオレ詐欺だったりお見合いパーティだったりリストラだったりと様々だけど、登場する人物がそこはかとなくもの悲しげでありながらちょっと笑えて微笑ましくなるという、ユーモアとペーソスを絶妙にブレンドした物語。

「ガツン」とくるインパクトや新鮮さはないけれど、人生ってこんな風になんでもないようでいてどこかドラマチックになっているんだんあ、と実感させられる。

大阪の振り込め詐欺の被害率は、東京の十分の一以下だとか、ペンギンは仲間を海に蹴落として安全を確認してからダイブするとか、九十九茄子(つくもなす)は食べ物じゃなくて茶道具であるとか、どうでもいいけど人に話してみたくなる「へぇ」な豆知識もあったりして、とっても平和な小説だ。

こうゆうどうでもいい、一種怠惰で平凡な状態が、幸せな状態なんだなぁ。

幸せになる百通りの方法

荻原 浩 文藝春秋 2012-02
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「へぇ」な豆知識をひとつ。

マヨネーズは腐らない

へぇ へぇ へぇ へぇ へぇ!(トリビア

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