だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

放課後はミステリーとともに/東川篤哉

◆読んだ本◆
・書名:放課後はミステリーとともに
・著者:東川篤哉
・定価:1,500円
・出版社:実業之日本社
・発行日:2011/2/25

◆おすすめ度◆
・コミカルミステリー小説度:★★★★
・本格どんでん返し返し度:★★★
・おいでおいでおじさんに大笑い度:★★★★

◆感想◆
鯉ケ窪学園探偵部の霧ヶ峰涼が主人公の、学園ものコミカルミステリー連作短編小説。
謎解きはディナーのあとで」がベストセラーな著者の、二匹目のドジョウなミステリー小説だけれど、これがけっこう笑える本格モノ。

キャラクターや会話、シチュエーションがとってもコミカル。
おいでおいでおじさんには大笑いだ。

それでいて学園内で起きるミステリーな出来事に巻き込まれた霧ヶ峰涼が、顧問の先生や友人たちなどと解決して行くミステリーな展開は、本格推理。
「はは~ん」と思ってか、どんでん返しでさらにドン!

東川篤哉、あなどれないぞ。

放課後はミステリーとともに

東川 篤哉 実業之日本社 2011-02-18
売り上げランキング : 288
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謎解きはディナーのあとで」は東京の国立(くにたち)が舞台だったけど、本作は国立の隣町な恋ケ窪が舞台。
エックス山なんていう超ローカルな雑木林もでてきて、恋ケ窪在住のミステリーファンは必読の書なんである。

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ダークゾーン/貴志祐介

◆読んだ本◆
・書名:ダークゾーン
・著者:貴志祐介
・定価:1,800円
・出版社:祥伝社
・発行日:2011/2/20

◆おすすめ度◆
・バトルゲーム小説度:★★★★
・殺戮に次ぐ殺戮度:★★★
・ミステリー小説度:★★★

◆感想◆
暗い部屋の中で覚醒した塚田は、奨励会の棋士であることと同時に、赤の王将であると自覚する。その時から地獄のようなバトルがはじまった…

悪の教典」でサイコな教師のぶっ飛び殺戮劇を描いた著者だが、今度の小説はモンスターになった人間たちが殺戮のゲームを行うというバトルゲームな内容。

軍艦島らしき所を舞台に、それはもう恐ろしい姿に変身した人間たちが、人間将棋を100倍残虐にパワーアップしたような死闘を繰り広げる。
この悪夢のようなゲームと交互に描かれるのが、主人公塚田の、奨励会の棋士としてのリアル世界の日常。
登場人物や出来事が、微妙にバトルゲームの異世界とシンクロしていくという構成。

けっこう思い切ったエンターテイメント。
著者には「クリムゾンの迷宮」という本書に似たバトルゲームな小説があったけど、その延長線上にあるよう。
ただ、リアルな世界のミステリーな仕掛けはどうかな、と。
そんなもん描かないで、バトルゲーム一本槍で不条理感いっぱいの方がスッキリしてたかも。

しかし、よくこれだけ異世界のルールやモンスターの殺傷能力なんかを考えたものよ。
ゲームクリエイターともなれば、四六時中ああでもないこうでもないと考えているだろうげど、けっこう面倒くさそう。
いっそのこと本書のモンスターや異世界の設定そのままゲームに移植したらどうだろう? なんて思ってしまうほど作り込んでいるのは確かだ。

ダークゾーン

貴志祐介 祥伝社 2011-02-11
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本書のバトルゲームは「将棋」がモチーフになっているけど、著者の趣味が囲碁や将棋のようで、納得。
次は囲碁を題材にした小説か!?(なんか地味だ)

◆他サイトの感想など◆
朴念仁と居候
Marice in Woderland
シンさんの偽哲学の小部屋

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空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む/角幡唯介

◆読んだ本◆
・書名:空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む
・著者:角幡唯介
・定価:1,600円
・出版社:集英社
・発行日:2010/11/22

◆おすすめ度◆
・ビックリ驚き探検記度:★★★★
・本編もスゴいがディテールがもっと凄い度:★★★★★
・読んでるだけで脳内麻薬物質がしみ出す度:★★★★

◆感想◆
チベットの奥地にある世界最大級の峡谷・ツアンポー峡谷。そこを単独で探検に向かった著者の、ビックリ驚き探検記。

長い間多くの探検家が訪れながら、あまりの険しさに残されたツアンポー川の未踏破部。それが空白の五マイル。
著者は会社を辞め、人生の多くを掛けてこのツアンポー峡谷に挑むが、これがもう冒険小説みたいな、にわかには信じられない命懸けの探検。

なんたってグランドキャニオンより凄い峡谷だっていうし、過去に何度か死ぬような体験をした著者が「死なないことが日々の課題」というほどの極限状態に陥ってるし、実際過去に亡くなっている人たちもいるのだ。

延々と続く高湿度で急なジャングル。身体中をダニに喰われ、雪山で凍傷になりかけ、食料も底をつきながら彷徨うようにツアンポー峡谷を歩き通す。

いったいなんでこんな所を冒険しにいくのか?

著者は「…冒険者は、命がすり切れそうなその瞬間の中にこそ生きることの象徴的な意味があることを嗅ぎ取っている」という。

それって脳内麻薬物質のせいじゃない?とか思ったりもするけど、読んでる人の頭の中にも脳内麻薬物質がしみ出すのは間違いなしな探検記だ。

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

角幡 唯介 集英社 2010-11-17
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本書の中で、探検に持って行った本を読むというくだりがちょこっとあって、いったい何を読んでいるのか気になる~。

と、本書を読み終わった直後に買った「本の雑誌」に、高野秀行と著者の対談形式の冒険本特集が。
これを読むと、どうやら冒険家にとって本はたき火のたき付けにするのが第一義で、読み物としての価値は二の次のようだ。

◆他サイトの感想など◆
北海道大学山岳部・山の会 <書評>
WEB本の雑誌
新s あらたにす 著者に聞く

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狼と香辛料 1~16/支倉凍砂

◆読んだ本◆
・書名:狼と香辛料 1~16
・著者:支倉凍砂
・定価:合計9,160円
・出版社:電撃文庫
・発行日:2006/2/25~2011/2/10

◆おすすめ度◆
・若い行商人と狼の化身である少女のロードノベル度:★★★★
・ツンデレファンタジー小説度:★★★★
・狼の耳と尻尾を持つ少女ホロがかわいい度:★★★★★

◆感想◆
各地を旅しながら商いをする青年行商人のロレンス。とある村でホロと名乗る少女と出会う。彼女には狼の耳とシッポがあり、自らを狼の化身・豊穣の神だという・・・

中世ヨーロッパ風な異世界を舞台にしたライトノベル。
『このライトノベルがすごい!』で上位にランクングもされた人気の小説だ。
ライトノベルというと、戦闘・戦記ものというイメージがすぐに浮かぶが、本書はそれの替わりに経済活動や商取引をメインに据えるという変わり種。

若い行商人のロレンスと可愛いくせに老獪で大酒飲みなホロが、ホロの故郷を目指して旅をする途中に様々な事件に遭遇。
それを行商人らしい駆け引きで解決していくというロードノベルでもある。

でも何といってもこの小説の持ち味は、ロレンスとホロのツンデレぶり。
ヒロインのホロを可愛いと思えれば、この小説がとっても面白く読める!
やや無理くりな展開も、遠回しすぎるロレンスとホロの掛け合いも気にならない。
賢い狼の化身なのに笑ったり怒ったりすねたり泣いたりする少女なホロが、抱きしめたくなるほどかわいい!と思ったアナタ、犬と猫の両方を好きじゃありませんか?

狼と香辛料 (電撃文庫)

支倉 凍砂 メディアワークス 2006-02
売り上げランキング : 9740
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超面白かった「フルメタル・パニック!」をきっかけに、ライトノベルなお正月を展開したけど、その中で一番面白かったのが「狼と香辛料」。
その他に読んだのはどうだったかというと・・・

ミミズクと夜の王/紅玉いづき ★★★★
思わず泣いてしまう童話みたいなファンタジー。
もの心のつかない幼い娘より、すれっからしの女性に読ませたい。

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

紅玉 いづき メディアワークス 2007-02
売り上げランキング : 6536
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銀河英雄伝説/田中芳樹 ★★★
SFが好きといいながら、まだ読んでませんでした。
英雄の一人、ヤン・ウェンリーがいい味出してる。
中学生の時の自分に読ませたい。
銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

田中 芳樹 東京創元社 2007-02-21
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キノの旅/時雨沢恵一 ★★
ちょっとシニカルでSFチックな寓話。
人格のある二輪車のエルメスをうまく想像できない。足がある?
小学生の甥に読ませてみたい。(いないけど)
キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))

時雨沢 恵一 メディアワークス 2000-07
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灼眼のシャナ/高橋弥七郎 
物語の世界がメチャクチャ/なんでもありに思える。
ああ、これはこうゆう世界を無条件に受け入れられる少年のための物語なんだなあ、と残念な感じ。
灼眼のシャナ (電撃文庫)

高橋 弥七郎 メディアワークス 2002-11
売り上げランキング : 10511
by ヨメレバ


「狼と香辛料」を読んでる最中に、狼つながり?で「デルフィニア戦記」を再読。
面白いなあ!
特にコーラル奪還までの第1部は無類の面白さだ。

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純平、考え直せ/奥田英朗

◆読んだ本◆
・書名:純平、考え直せ
・著者:奥田英朗
・定価:1,400円
・出版社:光文社
・発行日:2011/1/25

◆おすすめ度◆
・ユーモア小説度:★★★
・若いヤクザのはかない青春度:★★★
・考え直した方がいいぞ度:★★★★

◆感想◆
歌舞伎町を闊歩するチンピラの純平。歩けばキャバクラのお姉ちゃんなどから気軽に声をかけられる人気者だが、彼には心酔する兄貴分のヤクザがいて…

久しぶりの奥田英朗は、ユーモアとペーソスを兼ね備えたテレビドラマにうってつけな感じの、若く純粋なチンピラが主人公。
ヤクザ組織から体のいい扱いを受けながらも、兄貴分のヤクザのためなら自分の命を捧げてもいいと思う硬派な男。
そんな純平と、彼を取り巻くヘンテコな人々との交流?を通して、「考え直した方がいいんじゃない?」といったクライマックスに向かって展開するお話し。

難しい展開もショッキングな描写も深く感動的なシーンもないけど、どこかもの悲しい雰囲気は、「ガール」のチンピラ版みたいな。

これだけ人気がって人から慕われる純平なんだから、工夫次第ではヤクザな商売から足を洗えるんじゃない?
「純平、考え直せ」って思っちゃうぞな。

本書は書籍版と同時に電子書籍版も配信されているそう。

書籍版だと、税込み1,470円
電子書籍版だと、税込み1,050円

あんまり安くないなあ。
印刷したり運んだり書店で売ったりするのを考えれば、電子書籍はもっと安くてもいいような気がする。
逆に書籍版が安すぎるのか?

◆他サイトの感想◆
よむみるろぐ。
黒夜行

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