だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

バカをあやつれ!/戸梶圭太

◆読んだ本◆
・書 名:バカをあやつれ!
・著 者:戸梶圭太
・出版社:文芸春秋
・定 価:1,429円
・発行日:2006/10/30

◆評価◆
・激安犯罪都市作り度:★★
・デフォルメされる社会と個人の負の面度:★★★
・バリキチ野郎ども度:★★★★

◆感想◆
近所の住民に恨みをつのらせた岩本登37才無職は、木岐ノ町はなまる公園で行われていた祭り会場にダンプカーで突っ込むが…

のっけからバリキチ(新しい造語か!)男の無差別ダンプカー殺人シーン。トカジらしい激安殺人事件とアホな岩本がずぬけている。
次々に登場する人物も、幼い頃のいじめをバネに金と権力志向に走った増園町長、母親の見栄とエゴに満ちた行動を見て損な役回りに入らない様にする事を学んだ川添警察署長をはじめ、ロリコン男、殺しや妄想男、シマウマ男、知るけえええ!徘徊女と激安人間のテンコ盛り。

そのバカさや鬼畜ぶりがデフォルメされてはいるものの、あながち絵空事と言えないようなリアルさを感じてしまう。
最近のテレビで見る強烈な事件の方が、トカジの小説に出てくる事件より過激な気もするからブキミ。

しだいにエスカレートする展開とエログロシーンに、おぞましさと吐き気を催すようなスーパー小説だ!
安っぽさを演出した表紙もお見事。

バカをあやつれ!/戸梶圭太の表紙
 

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つばき、時跳び/梶尾真治

◆読んだ本◆
・書 名:つばき、時跳び
・著 者:梶尾真治
・出版社:平凡社
・定 価:1,500円
・発行日:2006/10/18

◆評価◆
・時を超えた恋愛小説度:★★★★
・ヒロインのつばき、美しすぎるぜ!度:★★★★★
・甘くせつなく幸せな気持ち度:★★★★★

◆感想◆
江戸時代からある古い屋敷の百椿庵。そこに独り住むことになった歴史小説家の惇は、美しい幽霊を目撃するが…

幽霊の正体は、百椿庵に仕掛けられたタイムマシンの効果で、過去に実在する女性の幻影だった。そしてタイムマシンをいじくった結果、過去から彼女が跳躍してくる!!

設定に少々難がある気もするし、ヒロインつばきが清楚で美しすぎるし、惇とつばきがラブラブすぎるんじゃないか、という感じもしないではないが、そんなことにいちゃもんを付けてはいけない。
だってそれがカジシン・ワールドなんだからっ!

しかし、つばきという女性がいいなぁ。
著者の理想的女性像なのか、はたまた男性が求める普遍的な女性像なのか。
礼儀正しく思いやりがあり控えめでいながら芯がある清楚で明るく若い美人。
こんな女性から思いを寄せられラブラブな時を過ごしたら、男なら誰だって忘れられなくなるってもん。そりゃー過去だろうと未来だろうと、どこだって行くっちゅうこっちゃ。

主人公の惇があまり詳細に描写されていないのも、男性読者が感情移入しやすくするテクニックだろうが、まんまとハマってしまう。

ありえない素晴らしい設定と美しいヒロインつばきに、思いっきりのめり込んで、ロマンチックな世界を堪能すべし。
カジシンならではの、タイムトラベル・ロマンスの傑作だ!

つばき、時跳び/梶尾真治の表紙
 

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