だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ゴースト≠ノイズ(リダクション) /十市社

◆読んだ本◆
・書名:ゴースト≠ノイズ(リダクション)
・著者:十市社
・定価:1,700円
・出版社:東京創元社
・発行日:2014/1/30

◆おすすめ度◆
・ミステリーのようなホラーのような青春小説のような度:★★★
・いじめテーマの学園もの度:★★
・おおっ! おお? おぅぅ度:★★

◆感想◆
ちょっとした出来事をきっかけに、クラスの中で孤立するようになった高校一年生の一居士。クラスメイトから無視され“幽霊”のような存在の彼に、一人の女子高生が近づいてくるが…

中盤までは「いじめ」がテーマの学園小説みたいで、気分が暗くなること必至。
中盤からミステリー小説っぽい展開がでてきて「おおっ!」っとなるものの、盛り上がりに欠けるまま「おお?」な展開に。

いじめや友情をテーマにした学園小説に徹した方が、読んだ後も爽やかだったような気がする小説でした。

主人公の一居士と、クラスメイトの女子高生の会話は、お互いの心のうちを探り合うようで、心理描写がうまいとも言えるけど、なんだかまどろっこしいとも言えて微妙。
もっとスカッと、バーンといきたいものです。

本書は本の雑誌で「本年度のベスト級作品と断言してもいい傑作だ」と紹介されていて、「そんじゃ」と購入。
ちょっと期待が膨らみ過ぎたか。
湊かなえのファン向きかもしれません。

◆関連記事◆
「セルフパブリッシングで注目の、あの作家に聞く」 『ゴースト≠ノイズ(リダクション) 』十市 社さん/DOTPLACE
今年読んだ100冊の中で一番面白かった本は ゴーストノイズリダクションでした。/ふりむけばコウホウ

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雪月花黙示録/恩田陸

◆読んだ本◆
・書名:雪月花黙示録
・著者:恩田陸
・定価:1,600円
・出版社:角川書店
・発行日:2013/12/31

◆おすすめ度◆
・シュールな展開度:★★
・サイケな世界度:★★
・キッチュな文化度:★★

◆感想◆
近未来の日本を舞台にした学園&アクション小説。

なんだかちょっと昔の日本を舞台にした一風変わったライトノベルのようでもあるが、美青年&美少女剣士やド派手な未確認飛行物体やとってつけたような生徒会長選挙やスライム状のバケモノや妙に親切なラーメン屋の双子親父などなどが山盛りで、とってもシュールでサイケでキッチュ。

チャンバラシーンを交えながら、ミヤコという文化都市の謎に迫る美少年美少女剣士たち!な展開に、おじさんな自分はタジタジ。

恩田陸、チャレンジャーです。

キラキラとした本の装幀が、内容とベストマッチです。

◆関連記事◆
雪月花黙示録/アマゾン(著者本人がコメントしてる動画です)

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レジスタンス、ニッポン/戸梶圭太

◆読んだ本◆
・書名:レジスタンス、ニッポン
・著者:戸梶圭太
・定価:1,600円
・出版社:双葉社
・発行日:2013/3/24

◆おすすめ度◆
・型破り結婚相談所&革命小説度:★★
・型破りな展開度:★★
・型破りな登場人物度:★★★

◆感想◆
バンドでのメジャーデビューの夢を断たれた活人は、叔父の経営する結婚相談所で働くようになるが…

自分のことしか考えない常識はずれの会員ばかりの結婚相談所。
「そりゃあ相手が見つからないよ」なヒドイ大人たちの姿を、トカジらしい激ヤバな表現で描写しつつ、主人公活人が世の中に失望するのが前半。
後半ではなんと、そんな「腐った日本に革命を!」な、型破りの展開。

傭兵やテロリストの登場など、脈絡があるようなないような、意表をついた展開で考え込んじゃいます。
が、そんなことは気にせず、型破りな罵詈雑言に感動するのもいいかと。
これだけ悪口を考えるだけでもけっこう大変そうですが、トカジジャンキーにはちょっと物足りないかも。

同時期に出版された「おじいちゃんもう一度最期の戦い」
こっちの方が、激しくぶっちゃけてます。

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はぶらし/近藤史恵

◆読んだ本◆
・書名:はぶらし
・著者:近藤史恵
・定価:1,500円
・出版社:幻冬社
・発行日:2012/9/25

◆おすすめ度◆
・ちょっと怖いサスペンス小説度:★★
・男には描けない女性心理度:★★★
・むずむずもどかしくなる度:★★

◆感想◆
一人暮らしをしている脚本家の鈴音。高校時代の友人・水絵から突然「相談したいことがある」と連絡を受けるが…

リストラされ、旦那とも別れてしまい、子供と二人で途方に暮れている水絵。彼女は一週間だけでいいからた水絵の家に泊めて欲しいという。
しかし一緒に暮らし始めると、常識とわずかに異なる水絵の行動や言動が気になり始めるという展開。

そりゃ気になります。
新しいのを買ってきたからといって、貸した歯ブラシを、しかも1回使ったものを返されたらドン引きです。
もうその時点で蹴飛ばしてい追い出してやればいいものを、気のいい鈴音は相手を思いやって親切にしてしまう。

これはミステリー小説というより、不可解で不条理な女性心理をサスペンスタッチで描いた、困ったちゃん小説ですね。
女性心理には興味ありますが、こんなねちねちとした描写はあんまり自分好みではなく残念。
読んでいてむずむずともどかしく、「もっとダイナミックでドバーッとした展開にして!」と、叫びたくなる思いでした。

ねちっこい性格のへんてこな女性に興味がある方は是非。

本当に困って居候するなら愛想良く、悪意をもってそうするならさっさと悪事を働くのが普通の男の考えること。
女性だとそうならないところが不可解で不条理ですね。

◆関連記事◆
近藤史恵『はぶらし』特設サイト/Webマガジン幻冬舎

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エス/鈴木光司

◆読んだ本◆
・書名:エス
・著者:鈴木光司
・定価:1,500円
・出版社:角川書店
・発行日:2012/5/15

◆おすすめ度◆
・「リング」みたいなホラー小説度:★★★★
・「らせん」みたいなサスペンス小説度:★★★
・「ループ」みたいなSF小説度:★★
・シリーズの続編度/納得の結末度:

◆感想◆
自殺の模様をネットで公開したという動画ファイル。映像制作会社に勤める安藤は、社長の米田から動画の分析を依頼されるが…

前半のホラーな展開は、まるで「リング」の続編みたいで、目新しさこそ無いもののけっこう面白く読んでいたけど、後半になると、なんだか「リング」と「らせん」と「ループ」が混在した展開に。
リング3部作をリミックスして1冊にしたような感じ。

リング3部作はホラーな「リング」はじまり、サスペンスな「らせん」、SFな「ループ」へと続き、読み進むと「何っ!」な掟破りとも取れる大胆な展開にビックリ仰天なんだけれど、それを1冊にリミックスしたような本書には、無理が見え隠れするような。

帯には「映画『貞子3D』原作」の文字が強調されているし、そうゆう大人の事情もあっての「エス」なのかも?
本書をいきなり読むより、「リング」「らせん」「ループ」を順番に読む方が3倍は面白いと思う。

小説の「リング」はとっても面白怖いホラー小説だったけど、映画の「リング」もテレビから出てくるシーンはのけ反るほど怖かったなあ。
映画「キャリー」のラストに匹敵するくらいののけ反り度だ。

◆関連記事◆
鈴木光司『エス』(角川書店) を読む/ポケモン的なるブログ
辻褄合わせに過ぎない「エス」/中年音楽狂日記

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迷宮警視正/戸梶圭太

◆読んだ本◆
・書名:迷宮警視正
・著者:戸梶圭太
・定価:657円
・出版社:徳間文庫
・発行日:2012/1/15

◆おすすめ度◆
・よくも悪くも予断を許さない警察小説度:★★
・もっと変なキャラにして度:★★
・B級激安な登場人物度:★★

◆感想◆
定時制高校の生徒が殺害される。捜査のため高校に乗り込んできた星野神警視正を見た熱血教師の小山は、「ドラキュラだ、こいつは」と苦々しく思うが…

トカジのヘンテコ激安警察小説。
比較的まともな印象だけど、ドラキュラっぽい星野神警視正が気を吐いてる。
トカジファンにしてみれば、もっと変で過激にしてもいいかもと思うところ。

物語は殺人事件を発端にして、アレやコレやの予断を許さない、というか、まったく予想できない展開に。
「血肉畜世界」の調査のためチュニジアに行った古矢刑事はどうなった?
ドーベルマンを2匹飼っている臓器コーディネイターは何者!?
星野神警視正に感化された高校生のその後が知りたい!
などなど、様々な積み残しや知りたいことや何でやねんなことをほったらかしにするトカジのスバラシさ。

ファンの方以外にはおすすめできない小説ですが、私は好きです。

迷宮警視正 ((徳間文庫))

戸梶圭太 徳間書店 2012-01-07
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本書「迷宮警視正」も前作「孤島の誘拐」もいきなり文庫での出版。
京極夏彦や宮部みゆきのそれとは違って見えるぞ。
頑張れトカジ!
アマゾンで著者の本を検索すると、どの著書も在庫が数点しかなかったり品切れ状態だったりするけど、へこたれないで欲しいぞ。

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孤島の誘拐/戸梶圭太

◆読んだ本◆
・書名:孤島の誘拐
・著者:戸梶圭太
・定価:667円
・出版社:双葉文庫
・発行日:2011/9/18

◆おすすめ度◆
・B級ミステリー小説度:★★
・激安人間ドラマ度:★★★
・歳とともに激安度ダウン度:★★

◆感想◆
人口が300に満たない絶海の孤島。宝くじでにわか成金になった嫌われ者の息子が誘拐される。犯人は? 動機は? はたして真相は!?

家の回りに城壁のような塀をこさえた嫌われ者の宝くじ長者とか、若者のいない孤島で人生をなげてる元教師とか、昔はブイブイいわせたけど今は駄洒落がブイブイな誘拐専門の警部とか、還暦の青年団員とか、安っぽい登場人物たちが活躍?する誘拐ミステリー小説。

1年ぶりのトカジは、以前にもまして普通のB級小説作家の感、大だなあ。
人物を評する接頭語に、「激安」「1円」というフレーズがよく使われていたけれど、本書では「3円」なんていうフレーズが出て来たりして。
著者本人も承知のデフレな感じ。

それでも「リージョンフリーのDVDプレイヤーで『やくざ刑罰人 私刑!』を見たい」とか、海に向かって放り投げた塩辛の瓶とかのシーンにB級小説の醍醐味を感じちゃう。

けっこう好きなんです、トカジのB級小説。

孤島の誘拐 (双葉文庫)

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YuoYubeの『やくざ刑罰人 私刑!』予告編は、トカジなB級度が炸裂!
登場人物に「見たい」といわせたくなる残酷で無惨なシーンの連続。
まるで昔のトカジそのまんまだ。

かなりえぐいです
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『やくざ刑罰史 私刑(リンチ)!』 予告編/nicozon

◆関連記事◆
孤島の誘拐(戸梶圭太)/黒夜行
戸梶圭太 公式サイト

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