だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ラギッド・ガール/飛浩隆

◆読んだ本◆
・書 名:ラギッド・ガール
・著 者:飛浩隆
・出版社:早川書房
・定 価:1,600円
・発行日:2006/10/31

◆評価◆
・バーチャルSF小説度:★★★★
・精緻で綿密な文章と詩的な表現度:★★★★
・秀逸な仮想空間と深遠な現実世界度:★★★★★

◆感想◆
数値海岸開設から「グラン・ヴァカンス」にいたる多数の謎を明らかにする「廃園の天使」シリーズ第2巻。

「グラン・ヴァカンス」を読んでいないんだけど、それでも十分楽しめるというか「グラン・ヴァカンス」を読まねば、と思わせる秀逸なSF連作短編集。

その物語世界が素晴らしい。未来世界の構造や成り立ちや背景などを、著者がきっちり構築しているからこそ描ける世界。
さらに登場人物の心理描写もうまい。

表題作「ラギッド・ガール」は、著者の嗜好というか狙いについて全く知らないで読んだためか、ラストは非常にショッキング。
バーチャルな世界と物理的な世界の狭間には、どうしても肉体的な視点、身体性というのが欠かせないようで、そのへんをうまく掴んだ傑作。

神林的な確固としたSF世界を持っているようで、かといってガチガチのハードSFに仕立て上げる風でもなく、叙情的なところが奥深さを演出している。

ラギッド・ガール/飛浩隆の表紙
 

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