fc2ブログ
2009/07/28

逆転のクレヴァス/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書名:逆転のクレヴァス
・著者:茅田砂胡
・定価:900円
・出版社:中央公論新社C★NONELS
・発行日:2009/7/25

◆おすすめ度◆
・へんてこ誘拐小説度:★★★
・さらわれた方がさらったり度:★★★
・奇人変人賢人度:★★★

◆感想◆
住宅街を散歩していたリィに声をかけた男はものすごく怪しげ。しかし敵意をまったく感じなかったリィは、その男から銃口を突きつけられて…

今回はリィが誘拐されてしまうという、クラッシュ・ブレイズシリーズの14巻。
リィとシェラが主役で、ジャスミンとケリーは登場しないためか、ややおとなしめ。

誘拐されても、誰もリィを心配しないばかりか、誘拐犯の方を心配する始末。
なかなかユニークな誘拐劇になりそうな展開だ。
確かにこの誘拐犯、ちょっと飛び抜けてオトボケてる。
でもこうゆう一般常識のない人が、とても賢かったりする。

歴史上の有名人だって、性格破綻していた人、いっぱいいるし。

といったことを思いつつも、あっというまに読み終わる面白さ。
ファンの方はお見逃しなく。


0907281818.jpg


題名の「クレヴァス」の意味がよく分からない。
なにか大事なところを読み逃しているのか?


逆転のクレヴァス (C・NovelsFantasia か 1-52 クラッシュ・ブレイズ)
逆転のクレヴァス (C・NovelsFantasia か 1-52 クラッシュ・ブレイズ)
おすすめ平均
stars読める出来だと思いますよ
stars次巻への布石?のみの存在

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


◆他サイトの感想◆
読書日記
わたしは趣味を生きる。
逆転のクレヴァス 立ち読み専用[PDF]

2009/06/26

レディ・ガンナーと虹色の羽/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書名:レディ・ガンナーと虹色の羽
・著者:茅田砂胡
・定価:629円
・出版社:角川スニーカー文庫
・発行日:2009/6/1

◆おすすめ度◆
・異世界ファンタジー度:★★★
・おてんばお嬢さんと異種人類の大活躍度:★★★
・正当化される差別度:★★★

◆感想◆
レディ・ガンナーシリーズ第5弾は、異種人類ベラフォード(鳥と人間のハーフで、人間の形にも羽が生えた形にもなれる)が、幼い頃に亡くなった母親の故郷へ帰るの巻。

ベラフォードの母親の種族は「南天極楽鳥」という金ぴかハデハデ大好き種族で、そこから来た使者にベラフォードは半分拉致されてしまう。
それを知った異種人類の仲間とレディ・ガンナーが助けにいくという展開だ。

恋あり冒険ありちょっとエッチなこともありの少女小説だけど、おじさんだって普通に読めちゃう。
これは物語が優れいて読む人を問わないのか、自分が少女小説を好んでいるのかは不明だが、前者だと思いたいところ。

人種差別といった重いテーマも主題になっていて、これはもうあっけらかんと簡単明瞭に「差別は悪い」と大書きしてあるような提示のしかた。
ちょっと芸がなさすぎる感じだが、少女小説だからこれでいいのだ。


極楽鳥
極楽鳥デジカメを持って旅をする


物語の主人公である異種人類ベラフォードは、その羽が美しい虹色に輝いていることが事件の発端となってしまう。
誰もが見とれる美しさ。

動物のオスは無駄に派手なことが多い。
普通にはメスに気に入られるためといわれているけど、どうなんだろう?

化粧をする女性は男に気に入られたいからする?
うーん、異性がどこを見ているかで戦略も変わってくるし。

外観とかの派手さを、男女で比べると、

顔(化粧) 女が派手
髪の毛   女が派手
服装    女が派手
体型    男が派手 マッチョマンとか
行動    男が派手 身体的力や運動能力の表現

男は女性の顔や服装に注目するから、女性はそこを着飾る。
女は男性の身体に注目するから、男性は身体を鍛えたりスポーツのできる男になりたがる。

と、そうゆうことか?


レディ・ガンナーと虹色の羽 (角川スニーカー文庫)
レディ・ガンナーと虹色の羽 (角川スニーカー文庫)茅田 砂胡

おすすめ平均
starsさくさくっと、さわやかに
stars閉じた世界の価値観と激突

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


◆他サイトの感想◆
くじら図書館 いつかの読書日記
天下無敵の独り言
ボケ防止ブログ★By★50代ベテランまま

2009/04/10

海賊とウェディング・ベル/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書名:海賊とウェディング・ベル
・著者:茅田砂胡
・定価:900円
・出版社:中央公論新社C★NONELS
・発行日:2009/3/25

◆おすすめ度◆
・勧善懲悪冒険小説度:★★★★
・宇宙を駆け巡るSF小説度:★★★★
・痛快爽快エンターテイメント度:★★★★

◆感想◆
ジャスミンとケリーが、宇宙海賊相手に大活躍!という、おなじみのクラッシュ・ブレイズシリーズの13巻。
「デルフィニア戦記」に感動して以来、茅田砂胡の本は自動的購入対象本なのだ。

今回はジャスミンが主役。
持ち前の大胆不敵で異能を発揮する彼女が、海賊や政府軍までをも相手に大活躍。
いつもの美少年たちは登場しないが、おじさんにはこっちの方が読みやすい。

「少女小説のどこが面白んだ?」と思ってるそこのアナタ! 騙されたと思って、読んでみなさい。
面白いんだな、これが。
書店で買うのが恥ずかしい方は、ネットでどうぞ。
私は書店で買うのが、平気になってしまった。


海賊とウェディング・ベル―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)
海賊とウェディング・ベル―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)茅田 砂胡

おすすめ平均
starsやっぱりキング&クイーンが最高
starsこういうのが読みたかった!
starsキング・オブ・パイレーツの遺産
stars腹筋が・・・
starsやられた。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


平日の夜に読みはじめたため、翌日は寝不足気味だ。
若い時は徹夜しても平気だったけど、歳を取ると寝不足は気力と体力を奪う。
ジャスミンとケリーのように、いつまでも若いままでいたいものだ。
息子より若い親、というのもいかがとは思うが・・・


◆他サイトの感想◆
booklines.net
ラノベ365日
風のない場所

2008/12/08

追憶のカレン/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書 名:追憶のカレン
・著 者:茅田砂胡
・出版社:中央公論新社 C☆NOVELS
・定 価:900円
・発行日:2008/11/25

◆評価◆
・アクション少女SF度:★★★
・シェラの想い度:★★
・分かりやすい構図度:★★★

◆感想◆
手芸部の女子たちとセントラルの展示会に行ったシェラ。そこで他校の生徒にある依頼をされ、彼女に同行するが・・・

クラッシュ・ブレイズ12巻の本書では、シェラが行方不明に!!
シェラの行方を捜査するリィとルウは、辺境の大金持ちにたどり着く。
いったいシェラはどこに?
といった内容のアクション少女SF小説だ。

ややご都合主義だが、面白いから許せる。
手芸とか女子のファッションとか、さっぱりだけど、読み飛ばせば問題ない。
いつも通りの勧善懲悪ぶりも、水戸黄門的安心感がある。

だけど、シェラの気持ちだけは、おじさんには100%理解できない。
美しい少年同士じゃなくて、美しい少年と少女じゃだめなのか?

うーむ、困った困った。



少女小説
さっか道 第五回 少女小説に対する苦悩と妥協



本屋に行くと「追憶のカレン」が平台に山積みになっている。
書店の売上げランクも1位だ。
自分のようなオヤジも、けっこう買ってたりするのかなあ。

前は少女小説を書店で買うのは、変なオヤジと思われそうで抵抗があったけど、最近は平気だ。
これは慣れなのか。
それとも変なオヤジになってしまったからなのか。





◆他サイトの感想◆
booklines.net
Atelier.Panie~プチッコ放置常習犯~


2008/08/13

マルグリートの輪舞曲/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書 名:マルグリートの輪舞曲
・著 者:茅田砂胡
・出版社:中央公論新社
・定 価:900円
・発行日:2008/7/25

◆評価◆
・少女小説度:★★★
・勧善懲悪度:★★★★
・水戸黄門度:★★★★

◆感想◆
クラッシュ・ブレイズシリーズの11巻。
短編3編から構成される連作集だ。

茅田砂胡というとデルフィニア戦記の面白さを思い出し、自動的に新刊を購入してしまう。

本作に登場するのは、今まで通りのオールキャスト。
家族を思う気持ち、愛、友情といった、書くのは大丈夫だけど言葉にするのは恥ずかしいテーマで書かれ、さらにリィのムンムンお色気女性への変身やケリーをはじめとするメンバーのアクションシーンと、盛りだくさんだ。

女性たちのきらびやかな衣装や華やかな世界の描写は、「お姫様」というキーワードでくくれるような少女趣味ぶり(少女小説だから当たり前なんだよね)。
展開も予想通りでありながら、スカッと爽快なカタルシスを感じるは、著者の手腕だろう。

これって水戸黄門を見て感じる面白さと同じか?

愛や人情あり、アクションあり。
ぐちゃぐちゃな様相を呈しても、最後は実力と権威の象徴である「印籠」の前に悪者はひれ伏すという勧善懲悪ぶり。

少女小説は水戸黄門なんだな。


seip.jpg


本編とは全然関係ないんだけど、文中に「傾城」という言葉が出てくる。
なじみのない言葉だが、含蓄あるなぁ。
少女小説にはやや早熟気味?


2006/05/14

レディ・ガンナーと二人の皇子/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書 名:レディ・ガンナーと二人の皇子
・著 者:茅田砂胡
・出版社:角川スニーカー文庫
・定 価:上495円 中495円 下514円
・発行日:上2004/3/1 中2005/2/1 下2006/4/1

◆評価◆
・ファンタジック少女小説度:★★
・大事件→大騒動と大冒険→めでたしめでたし度:★★★
・勧善懲悪度:★★
・分かりやすい社会の縮図度:★★

◆感想◆
<役立たず>のヴィンセントが何者かに拉致される。追い掛けたダムー等がたどり着いたのは、コルテス家の隠れ屋敷だった…

エルディア王国の男尊女卑的封建国家と公爵家の覇権争い、それに巻き込まれる異種人類のダムー達、さらに元気でお転婆のキヤサリンが事件に加わり大騒動に! といった内容。
少女小説なんてめったに読まないが、デルフィニア戦記ファンとしては、本書も読まねばなるまい。

内容は素晴らしく分かりやすい。異種人類の決闘シーンあり、正義感の強いお嬢様キヤサリンのお怒りあり、思いもつかないどんでん返しありの盛り沢山。
ファンの方はお見逃しなく!

それにしても主人公が●▲◆だなんて!
あんなことやこんなことは、どうしていたんだろう?
なんてことは考えちゃいけない。それはお約束ということで。

2006/05/07

大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書 名:大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝
・著 者:茅田砂胡
・出版社:中央公論新社
・定 価:900円
・発行日:2006/3/25

◆評価◆
・ファンタジック少女小説度:★★★
・二人の少年の成長物語り度:★★
・ハラハラな戦闘シーン/仲間を思う真摯な心度:★★

◆感想◆
ラモナ騎士団の騎士見習いであるナシアスは、ティレドン騎士団との対抗試合で並みいる強豪を次々とやぶり優勝する。そんなナシアスの前に一人の少年が現れ、試合を申し込むが…

ラモナ騎士団のナシアスと、ティレドン騎士団のバルロを主人公にした物語り。
田舎の出ながら騎士道に邁進する、真面目一本槍のナシアス。
一方、公爵家の御曹子ながら勝ち気で血気盛んなバルロ。
対抗試合を期に二人の友情や深まったり、背負った家柄からくる悩みと考え方の違いにとまどったり、隣国と合戦したりする姿が描かれる。

著者の小説作法のうまさでクイクイ読めるが、「デルフィニア戦記」を期待しちゃいけない。
外伝だからね。

しかし「デルフィニア戦記」は面白かったなぁ。
現在刊行中の「クラッシュ.ブレイズ」シリーズはそれなりに面白いんだが、「デルフィニア戦記」をずーっと引きずっているような雰囲気で。
著者にとっても「デルフィニア戦記」は入魂の作だったんだろう。