だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

天狼新星 SIRIUS: Hypernova/花田智

◆読んだ本◆
・書名:天狼新星 SIRIUS: Hypernova
・著者:花田智
・定価:1,600円
・出版社:ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
・発行日:2012/5/25

◆おすすめ度◆
・サイバーパンクSF度:★★★★
・量子論と電脳空間を駆使したサバイバル小説度:★★★★
・「シュレーディンガーの猫」になった気分度:★★★★

◆感想◆
光ソリトンを使った高速通信の販売に着手したSOCOM社は、ネット上に膨大なノイズが発生していることを危惧していた。この問題を解決しようと、チームを立ち上げるが…

高速通信網や大容量記憶デバイスを背景に、人間の意識までも電子化可能なサイバーサバイバル小説。
コンピューターの専門用語とか量子論とかがバンバン出てくるハードな描写が、とってもサイバーパンクだ。

ネット上のノイズの正体を突き止めようと苦戦するSOCOM社のエンジニアたち。実はそのノイズは「特殊電脳兵」という電脳空間にいる兵士たちで、さらに彼らの目的は…!
という、どんどん話しがスケールアップしていく展開。
登場人物の性格や背景なども書き込まれていて、感情移入もしやすい。(ばか うけ好きだし)

頻出する量子論的な展開は、ちょっと飛躍し過ぎな印象だけど、それなりになんとなく納得しちゃうのは、そもそも量子論を正しく理解していないせいかも。
なんだか「シュレーディンガーの猫」になった気分で、分ろうがわからまいがドンドン物語は進んで行っちゃうんである。
「あなたは死んでるんです」と言われれば「はいそうです」と返事し、「あなたは生きてるんです」と言われれば「はいそうです」と返事しちゃうあなた任せ状態で読み終わっちゃって、おお、サイバーだなあ。

いわくありげな少女をもっと書き込んでくれたら、と思うのは、それに頼らないように書き込んだ著者に失礼か。

同時期に刊行されたDelivery/八杉将司 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)もあれよあれよと話しがスケールアッップしていく展開。
小松左京ばりに風呂敷は大きく広げたけど、畳むのも大きくみたいな印象でした。

◆関連記事◆
天狼新星 SIRIUS:Hypernova/BookReviewOnline
天狼新星/はなださとしの黒い地下室
天狼新星は著者の脚本による舞台の方が先なんである。舞台?ビックリ!

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

FC2Ad