だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

完全恋愛/牧薩次

◆読んだ本◆
・書名:完全恋愛
・著者:牧薩次
・定価:1,900円
・出版社:マガジンハウス
・発行日:2008/1/31

◆おすすめ度◆
・本格ミステリー小説度:★★★★
・実らぬ恋度:★★★★★
・驚愕の展開度:★★★★

◆感想◆
伯父の住む会津の山奥に疎開した本庄究は、伯父の家の離れに疎開していた小仏画伯の娘に恋心を抱くが・・・

これは読みごたえのある小説。
恋愛小説としても素晴らしい出来だ。

物語は、両親を戦火で失った本庄究が伯父に引き取られ、会津の山奥にある温泉町で過ごすようになるシーンからはじまる。
戦争当時の時代考証も的確に行われた当時の生活ぶりや、主人公の本庄究が画家の娘である朋音に恋心を抱くようになる展開、進駐軍が町に浸透してくる様子などが活写される中、殺人事件が発生する。
さらに時代は移り、本庄究と朋音の悲恋と彼らを軸として起きる事件が、昭和、平成の時代に渡って展開する。

本庄究のひたむきな恋が、なんとも悲しい。
美しい朋音への思慕と憧れと愛しい人を守りたいという気持ち。悲恋ものの定番みたいな展開だけど、この展開にまいった!

惜しいのはミステリー小説としての展開。
はじめの殺人事件は物語に合った流れで起き、不自然な感じはしないんだけど、その後の事件はちょっとギクシャク。
本格ミステリ小説にするために脚色されたような事件で、取ってつけたような違和感がある。

無理して密室状態の事件にしたり、リアル事件を物語に取り込んだり。ラストも楽屋落ちみたいな部分もあって。
わざわざこんな体裁にしなくても、十分読者を楽しませることができたと思うが。
トリックや、謎の解決シーンにこだわり過ぎ?
ミステリ小説愛好家は、こうじゃなきゃ納得しない?
トリックやどんでん返しに驚嘆するものの、なんかなじめない。
ミステリとしての仕掛けをもうちょっと抑えて、物語性の方を重視した展開になってれば、文句なしの恋愛小説だ。


親指シフト
親指シフト・キーボードを普及させる会


あとがきに、「この作品は日本語入力に最適と信ずる親指シフトキーボードによって綴られました」の断り書きが。
著者は『親指シフト・キーボードを普及させる会』の発起人のようだ。
そういえばパソコンのハードユーザである井上夢人も、親指シフトキーボードを使っているような記述を読んだ記憶が。

使いやすいのかなあ。
アルファベットのキー配列をようやく覚えたのに、また別の配列を覚えるのはちょっと辛いかもしれないなあ。
でも著名な作家が『親指シフト・キーボードを普及させる会』の趣旨に賛同しているようだし。
これを使えば、名文がかけるかも?


完全恋愛
完全恋愛牧 薩次

おすすめ平均
stars悲しくて切なくなる恋愛
stars壮大な恋愛と悲劇
stars快作です。
stars恋愛小説とミステリの融合
starsせつない恋。驚天動地の謎。

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◆他サイトの感想◆
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