だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

自分では気づかない、ココロの盲点/池谷裕二

◆読んだ本◆
・書名:自分では気づかない、ココロの盲点
・著者:池谷裕二
・定価:880円
・出版社:朝日出版社
・発行日:2013/12/20

◆おすすめ度◆
・簡単な認知バイアスに関する問題と解説集度:★★★
・お手軽な目鱗心理学本度:★★★
・もっとたくさん&深く解説して欲しい度:★★★★

◆感想◆
認知バイアスに関する簡単な問題と解説で構成された心理学入門書。
池谷裕二のファン、あるいは心理学に詳しい方には、やや物足りない内容か。そうでない方には目から鱗がぼろぼろと落ちるような、びっくり本。
簡単な暗示で記憶力の低下を防げる「プライミング効果」、ジンクピリチオン配合のシャンプーは効果があると思っちゃう「ジンクピリチオン効果」、相手にウソをつけなくさせる「人格同一性効果」…
人間のすることやることは、こうやってみせられるととっても単純で、かわいそうなくらいに間抜けです。

その他にも「みんな」は3人以上とか、物知りはおしゃべりとか、脳は理由を問われると作話するとかの小ネタも。

全部で30問の問題と解説がありますが、もっとたくさん、そして深く解説して欲しくなる一冊です。
巻末にある、認知バイアスに関する183の用語全部について解説して欲しいほどです。

心理学に詳しくなり過ぎて、友人の心理を分析して問い質したりすると、嫌われ者になるから気をつけましょう。

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脳はこんなに悩ましい/池谷裕二,中村うさぎ

◆読んだ本◆
・書名:脳はこんなに悩ましい
・著者:池谷裕二,中村うさぎ
・定価:1,300円
・出版社:新潮社
・発行日:2012/12/20

◆おすすめ度◆
・脳科学対談度:★★★★
・遺伝子診断であんなことやこんなことまで分かっちゃう度:★★★★
・中村うさぎもかなりのモノ度:★★★★

◆感想◆
脳研究者の池谷裕二と人気エッセイストの中村うさぎの、脳科学に関する対談集。

赤ワイン好きの女性は性欲が強いとか、アダルトビデオを見た男の汗は匂うとか、精子の頭部には味覚センサーがあるとかの興味津々な下ネタにくわえ、人は何をしているときに幸せを感じるかとか、無人島に自分一人だったら心は生まれないだろうとか、ディープな心に関する脳科学的な考察が満載。

池谷裕二の著書に馴染んでいる方にもけっこう新鮮に読めるのは、対談者の中村うさぎの、かなり斬新で的確な突っ込みのおかげ。
今までの池谷裕二の著書にない大胆な発言が面白い。

特に目を引いたのは最新の遺伝子診断。
どんなガンになりやすいか、高血圧になりやすいかといった病気に関することばかりでなく、記憶力や知能、運動能力や芸術性まで分かっちゃう。
それもエピソード記憶に強いとか、短距離走の能力が高いとか。
それが今なら99ドルでできちゃうんですと。
うーむ、すごいことになってる。

自分がどんな秘めた才能を持っているかがつまびらかに!
(あるいは何も才能が無いことがつまびらかに!)
恐いもの見たさで遺伝子診断をしてみたい人が続出するんじゃないだろうか。

本書でふれられている「ラバーハンド・イリュージョン」
飲み屋のお姉さんにやって「すごーい、どうして!どうして?」と言わせたい。

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流れだす自己(self)-3/『世界と孤独』vol.3 -「私」のあらわれ-小沢裕子×村山悟郎 ブログ
Rubber hand illusion/youtube


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脳には妙なクセがある/池谷裕二

◆読んだ本◆
・書名:脳には妙なクセがある
・著者:池谷裕二
・定価:1,600円
・出版社:扶桑社
・発行日:2012/8/2

◆おすすめ度◆
・脳科学最前線度:★★★★
・そんなバカなな脳の振る舞い度:★★★★
・無意識の自分はかなり大胆度:★★★★

◆感想◆
行動を起こそうとする意志が発生する数秒前に脳の中では準備が始まっているという。そんな超びっくりな脳の機能について書かれている「単純な脳、複雑な「私」」は、とっても衝撃的だった。
本書は「単純な脳、複雑な「私」」の著者による、脳科学の最前線にして脳の奇妙な(でも読めば納得の)振る舞いについて書かれたエッセイ集。

ポイントとなるのは無意識。

知ったかぶりをしがちで(後知恵バイアス)、左視野を重視し(シュードネグレクト)、もっともらしい映像的説明にころっと説得され(ニューロレアリズム)、楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいと感じる脳。

いったい自分の意志はどこにいっちゃったのだ。

著者はこう言う。
「自由意志とは本人の錯覚にすぎず、実際の行動の大部分は環境や刺激によって、あるいは普段の習慣によって決まっているということです」
「意識と無意識はしばしば乖離しています。そして、無意識の自分こそが真の姿です」

「ひぇ~」なお言葉。
無意識にしちゃってることに自分は責任を負えないんじゃない?


さらに脳は何のためにあるのかという哲学的な問題にも言及。
「身体感覚(入力)と身体運動(出力)の処理に特化した組織」だった脳だが、人のような脳の機能が高度になり自律性が高くなると、脳内だけで情報をループさせられる。
身体感覚(入力)と身体運動(出力)なんて関係なしに、脳の中だけでグルングルン情報が駆け巡っちゃうんである。
これが「考える」ということなのだ。
「ヒトの心の実態は、脳回路を身体性から解放した産物です」なのだ。
なんだかSFのテーマにもなりそう。

しかし、だからこそ「身体性を軽視しがちな脳だけに、あえて身体性を大切にしなければならない」という著者。 手足を動かし、見て感じて味わってから、的確に行動た経験が、反射/考え/無意識の行動に現れるということなんだなあ。
何事も日頃の心がけ次第だ。

くわばらくわばら。

「はじめに」に書かれている、どんな人でも少なくとも一回は競争で一番になった経験があるという小話?は、なんだか勇気づけられる。
その割に水泳は得意じゃないんだけど。

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池谷裕二のホームページ
単純な脳、複雑な「私」/池谷裕二/サイト内

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単純な脳、複雑な「私」/池谷裕二

◆読んだ本◆
・書名:単純な脳、複雑な「私」
・著者:池谷裕二
・定価:1.700円
・出版社:朝日出版社
・発行日:2009/5/15

◆おすすめ度◆
・ミステリーよりミステリアスな脳度:★★★★★
・SFよりもワンダーな脳度:★★★★★
・脳って身体的で素直で自己中心的度:★★★★★

◆感想◆
これは面白い!
薬学博士にして脳研究者の著者が、高校生を対象に語った脳の話しなんだけど、とてつもなくスリリングでワンダーでミステリアス。

巷では脳科学大流行りだけど、こうやってきちんと体系づけて、さらに高校生にも分かる平易な内容で脳の機能を説明されると、ホンマでっか!?な話しも納得しちゃうってもんだ。

たとえば恋愛感情がある理由は「私はこの人が一番好き!」と自分を納得させるためだとか、幽体離脱を生じさせる脳部位があるとか、実際に動く前に動いたと感じるとか・・・
なんでそうなるのか内容を読むと、「ははーん、なるほど」って思っちゃう説得力。

その根底には、身体という感覚器官からの情報にゆらぎというノイズを加えることで、生き残るのに適した反射的行動をとるよう進化してきた経緯があるということ?
うーむ。
生物生存機械論みたいな感じかな。

時間も空間も、自分の都合に合わせるように感じる脳。
脳のキャパシティを超えたものは、とりあえず棚上げしたり神格性を持たせたりしてうっちゃっとく都合の良さ。

脳ってけっこう自己中だ。




脳の「ホンマでっか!?」な機能が分かっても、普段の思考内容一向に変わらない自分の脳。
うーむ。
もうちょっと、アカデミックというか高尚なことを考えられんのか、俺の脳は。

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NOのNOは脳 - 書評 - 単純な脳、複雑な「私」/404 Blog Not Found
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