だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

藁の楯/木内一裕

◆読んだ本◆
・書 名:藁の楯
・著 者:木内一裕
・出版社:講談社
・定 価:1,500円
・発行日:2004/10/1

◆評価◆
・スリルとサスペンス度:★★
・犯人護送劇度:★★★
・クズのような犯人の命を守る意味度:

◆感想◆
日本財界の大物中の大物である蜷川。彼の孫娘が殺害される。犯人は、七年前に小学生の女の子を殺害した罪で服役し、仮出所したばかりの男だった。蜷川は孫を殺された怒りから、犯人に10億円の懸賞を賭けた殺人依頼をする…

2人の子供を陵辱し殺害するという、人間のクズのような犯人清丸。
福岡に出頭してきた清丸を、東京まで護送する警察。
有象無象が10億という懸賞金に目が眩み、清丸を殺そうと付けねらう中、どのようにして東京まで護送するのか?!

テーマや展開は単純で明快。登場する人物も描写通りで分かりやすい。
人間のクズである清丸を東京に護送する警察官の奮闘と、クズを守らなければならない理由に苦悩する姿。
エンターテイメントのようでシリアスなようで。どっちつかずのような。
せっかくスピード感もそこそこある展開なんだから、B級サスペンスに徹したほうが、手に汗にぎる展開になったと思う。

クズのような犯人でも、その生命を守らなければならない、といった倫理観にこだわり過ぎると(これがないと物語が破綻するけど)、せっかくのスピード感が失われ、細部の矛盾点が目に付きはじめる。
やっぱりスリルとサスペンス小説は、強引なまでのスピードが大切。
そういった意味では、本書はスピード違反10キロオーバーくらいか。

藁の楯/木内一裕の表紙
 

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