だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

不肖・宮嶋 メディアのウソ、教えたる!/宮嶋茂樹

◆読んだ本◆
・書 名:不肖・宮嶋 メディアのウソ、教えたる!
・著 者:宮嶋茂樹
・出版社:河出書房新社
・定 価:1,200円
・発行日:2007/8/30

◆評価◆
・正しい少年のための人生指南度:★★
・あまり正しくない少年のための説教度:★★
・著者本人への縛り度:★★★

◆感想◆
「14才の世渡り術」と冠した、少年向けの人生指南書シリーズのなかの一冊。
カメラマンという著者の職業にちなんだ、情報の見方やメディアに対しての接し方など、少年が大人の世界に接触する時の注意点が書かれている。

さすがに少年向けということでいつものおちゃらけ文章は鳴りを潜め、いたって普通の語り口。
それでも報道写真への情熱や、TVニュースキャスターへの批判、メディアのウソのつき方など、少年には読みごたえのある内容か。

しかし少年への啓蒙書って、書いた本人を縛り付けることになりそうな感じ。
本シリーズのような「正しい」方向性を打ち出さなければならない本だと、あからさまな毒やエスプリを効かせた内容にするわけにもいかず、かといって間違った事を書くこともできず、基本と正道みたいなことしか書けない。
それを書いてしまうことで、逆に自分の行動を縛り付けるようなことになりそう。

いいおとなになれば、そうそう清く正しいことばかりしているわけもなく、そんな大人が書いた本の内容が、清く正しいことばかりというのもヘンだし。
大人なら、そのへんの機微を分かって読んでいるだろうが、少年はストレートに受け取りそうで怖い。
また、それを想定すると、著者は清く正しいことしかできなくなりそうで。

ま、そんな事を気にせず、正しい少年の心を裏切りまくるのが、大人というのものだが。

不肖・宮嶋 メディアのウソ、教えたる!/宮嶋茂樹の表紙
 

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不祥・宮嶋のビビリアン・ナイト/宮嶋茂樹

◆読んだ本◆
・書 名:不祥・宮嶋のビビリアン・ナイト
・著 者:宮嶋茂樹
・出版社:祥伝社
・定 価:上1,600円 下1,600円
・発行日:上2007/8/5 下2007/9/5

◆評価◆
・イラク戦争取材記度:★★★★
・空爆も日常の出来事度:★★★
・ニュースでは見えないバグダッドの姿度:★★★★

◆感想◆
おちゃらけフリーカメラマンによるイラク戦争撮影記。

相変わらずのおちゃらけ文体で笑わしてくれるが、本書の内容はまさに戦争の最前線でのルポ。文体とは逆に、状況は非常にシリアスだ。
やや時期外れの感はあるが、TVでも映像の流れたシーンと重なる部分があったりして、リアルさも100%。
著者の本の中では最高の臨場感と衝撃に満ちている。

やや偏向気味の戦争観に、好意的な人と反感を抱きまくりの人と、まっ二つに分かれそうだが、そんな観念的なものを吹き飛ばしてしまう迫力が!!

寝泊まりしていたバグダッドのホテルに戦車の砲弾が打ち込まれ、隣の部屋にいた取材クルーは亡くなってしまい、氏もあまりのことに茫然自失の状態になったり(アメリカ軍戦車が報道関係者の宿泊するホテルに砲弾を打ち込む!)、車で移動中アメリカ軍の戦車に出くわしたり(取材はもっぱら車なのね)。
かと思えば、イラク情報省役人の俗物ぶり(これは儲かりそう)や、取材記者達の生活(風呂やメシに不自由)や、アラブ人の日和見・自分勝手ぶり(バグダッドが陥落したとたんアメリカ万歳&略奪の荒らし)が描かれて、毎日の生活や取材がとんでもなく物騒だ。

遠く離れた日本でTV画面を見ている分には、対岸の火事でしかないが、なまの戦場とはどんな所なのか窺い知るには、変にしゃっちこばってる戦記物や戦争論なんかより良いかも。

著者のサイトで写真も一緒に見れば、そのすごさがヒシヒシと伝わってくる。

不祥・宮嶋のビビリアン・ナイト/宮嶋茂樹の表紙
 

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