だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

月のころはさらなり/井口ひろみ

◆読んだ本◆
・書 名:月のころはさらなり
・著 者:井口ひろみ
・出版社:新潮社
・定 価:1,200円
・発行日:2008/1/30
     
◆評価◆
・さわやかファンタジー度:★★★
・逃避する心と、受け入れる場所度:★★
・むかしスプーン曲げができた人へ度:★★★

◆感想◆
高校生の悟は、母と一緒に山奥の庵を訪れる。そこはかつて母が世話になった所だというのだが、どこか不自然な母の振る舞いに悟は不安と焦燥を募らせ…

「鈴鳴らし」「魂降り」といった言葉からイメージされる通りの、ちょっと不思議な力を持った少年達の物語。
御千木という人里離れた山奥。そこに住む老女と、人見知りする美しい少女。
少女の友達の真という生意気な小学生。
夏の日に出逢う少年達の交流。

あーなんか爽やかだ。
「不思議な力」も物語のメインテーマではなく、少年達の関わりと、彼らの境遇を象徴するための小道具として使われているだけで、メインは少年達の境遇といったところか。

蚊帳を張ったり、五右衛門風呂に入ったり。
夜中に庵を抜け出して、3人で祠にお参りしたり。
物語を読むだけで、奥深い森の息吹と降るような星空の世界を満喫できる。

ラストは、ミステリー小説だったんだ的な、やや残念な展開になってしまったが、昔はスプーン曲げができた山村出身の人に、読んで欲しい一冊だ。

月のころはさらなり/井口ひろみの表紙
 

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